コーチングで”言葉の定義”を合わせる

私がコーチングを始めてから学んだことのひとつに
人それぞれ言葉の定義が違う
というのがあります。

ちょっと下のレストランでの会話例を見てみてください。

 

おい今日満席だけど、準備、営業に間に合うのか?
はい、大丈夫です!!

レストランオープン5分前・・

(おいおい、5分前にまだテーブルの上グチャグチャじゃないか、お皿も準備できてないし)
間に合ってないじゃないか!それなら最初からそう言えよ!!
・・・すいません。(時間ぴったりには間に合わせたんだけどな。)

 

これ、どこに問題があったと思いますか??

上司の”間に合う”と部下の”間に合う”の定義が違うのです。

上司は”間に合う”ことは5分前にはテーブルが綺麗に片付いて、
いつでも料理を盛り始められる状態だと思っています。
部下は時間ピッタリに準備ができていれば大丈夫だと思っています。

二人が見ているゴールが、そもそも違ってしまっているのでかみ合わないのです。

コーチングを使ったアプローチでは
こういった言葉の定義を明確にする質問をします。

例えばこんな感じです。

(営業が終わった後に)
君にとっての”営業に間に合う”ってどういう状態?
オープン時間までに、全ての準備が終わっていることです。

なるほど。因みに全ての準備って具体的にはどんなこと?
営業で使うすべての材料の準備です。

そうか。お客様を心地よくお迎えするために必要なことって、他にどんなことがある?
えっと・・お皿を準備したり。あとは、予約をちゃんと確認できていると落ち着いて仕事ができます。テーブルの上が綺麗にセッティングされていることも大切だと思います。

そうだね。ではそれらの準備が全て、オープン時間ぴったりに終わっていたら、理想の営業ができるかな?
はい、できると思います。

もし、営業直前にアレルギーが発覚したら?
それは・・・ちょっとバタバタして料理がでるのが遅くなるかもしれません。

そうだね。今日は特に満席だったし、急なゲストへの対応ができるよう、僕は5分前には準備を間に合わせてほしいと思ってるんだけどどうかな?
それは、もちろんそのほうがベストだと思います。

じゃあ明日から、君が言ってくれた全部の準備、5分前に間に合うようにできそう?
はい、やってみます。

最初から
”5分前に終わらせるように”
という指示を与えることもできますが、
このコミュニケーションには2つの意図があります。

一つはシェフの”間に合う”の定義が、その理由と共に部下に伝わることです。
そしてもうひとつは、部下の”間に合う”をシェフ自身も理解できることです。

人は皆、それぞれの価値観にそった辞書を持っています。
コミュニケーションのすれ違いはほとんど、
この言葉の定義のズレから起こります。

現場ではつい、時間を短縮するために一方通行のコミュニケーションをしがち。
でも、リーダーの辞書だけを押し付けてしまうと
スタッフはいつかそっぽを向いてしまいます。

すこし面倒に思えるかもしれませんが、
お互いの辞書をアップデートできると、
もっと短いやり取りで、通じるようになります。

 

スタッフはチームにとっての大事な素材。
素材を良く知ることは、その良さを引き出すための大切なステップです。

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