>>>【京都 11/23(土) 】 自分の可能性を引き出し未来へ繋げるPoints of You® ワークショップ

チームの価値を自分たちで上げる「その商品は本当に安い値段じゃないと売れないのか?」

「ここのお客様は、一番安いコースしか頼まないから・・」
私が以前働いた、あるレストランの従業員が言った言葉です。
社内一営業成績が悪く、来年は閉店か?とまでささやかれていました。

1年後、このお店に奇跡が起きました。

チームのメンバーは商品に本当の価値を見出しているか

このお店、ある高級住宅街の中に位置していました。
ランチコースは2500円・3500円・5000円の三本。
リピーターのお客様も多く、ランチは結構席がうまるのですが、お客様が頼むのはいつも2500円のコースばかり。

店には5年以上勤めているベテランのサービススタッフがいて、顧客のこともよく知り尽くしていました。
「マダム友達と気軽に来たい人たちばかりだから、高いコースは売れない
と言うのが、彼の口癖でした。

売れるのが2500円のコースなので、シェフもそのコースの料理に力を入れ、毎月新しくしていました。
一方売れない3500円のコースは年間通してほぼ同じクラシックなメニュー。
前菜やメインのチョイスができるとはいえ、身内からみても「食べに来るなら2500円のコースを絶対に頼む」という状態だったのです。

3500円のコースを食べたいと思っていないスタッフが、お客様にそのコースを進められるわけがありません。
ドリンクもあまり出ないので、総じて客単価が低いのがこの店の課題でした。

今までの常識を疑ってみる

そんな中、このレストランに新しいマネージャーが赴任します。
バリバリの営業出身のこのマネージャーは、2週間ほどお店の様子を見てからこう言ったのです。

「ここのお客様はお金をもってないわけじゃない。売れないのは3500円のコースに魅力がないからだ」

最初は皆半信半疑でした。
来たばかりでうちのこと何も分かってないくせに、という声も出ました。

ただ他の店舗が毎月売り上げ目標を達成するのを横目でみていて、どこか悔しい気持ちもあったんだと思います。
さらに当時社内では、業績の悪い店舗はレストランを閉めて、ブライダルに特化するかもという噂も流れていました。

そこから、ゲストに価値のあるランチを食べてもらい顧客満足を得ながら、きちんと利益をだしてお店を存続させるにはどうするか、というシェフを交えての作戦会議が始まりました。

2500円のコースはチョイス無しの決め打ちに変更。
3500円は前菜・メイン・デザートをすべて選べるようにしました。
またクラシックなメニューを少しだけ残して、他は季節の食材を使ったメニューに変えることで、リピーターの方が毎月楽しめるようなラインナップに。

新しいメニューが始まると、お客様の反応を見て、何が響いているかの検証をやりました。
メニュー表の作り方もしかり。
開いた1ページ目に一番売りたい3500円のコースを持ってくる。
私たちが顧客に本当に食べてほしかったのは、このコースだったので、一番最初に目に付くところに置きたかったのです。
しかもこれは、お客様に一番近いところでサービスをしてくれていた、アルバイトスタッフの意見でした。

この改革の結果、サービスメンバーの営業スタイルに一番大きな変化が起こりました。
毎月きちんと試食会をして新しいメニューを味見して、その調理法やストーリーを理解してもらうことで、積極的に3500円のコースをお客様にすすめることができるようになったんです。

そして社員だけではなくアルバイトのスタッフ達も巻き込みながら、この店はグループ内レストランの売上全国1位に躍り出て、そのあとも歴代の最高売上を更新しつづけました。

ただ単に、お店の売上をあげるための「売りたい」はお客様に伝わってしまうはず。
サービススタッフが本当にその料理に価値があると感じていて「是非お客様に味わっていただきたい」と思ったからこそ、顧客に届いたのだと思います。

商品について、誇れるぐらい知ること

「2500円のランチしか売れない」と「私たちのお勧めする3500円のランチを是非食べてほしい」の間にはとても大きなマインドの差があります。
前者はそもそも自分たちが働いているレストランに魅力を感じておらず、逆に後者は誇りに思っている。

サービスメンバーは自分たちが売っている商品である、料理の価値を理解することが大事です。
食材に関する知識、特に生産者から直接仕入れているものは作り手の思いを知っていると、お客様に料理のストーリーを伝えられます。

そのためにはキッチンで働く職人の協力が欠かせません。
稀に試食会もせずに新しいメニューを売らせているレストランがありますが、あれはあまりにも酷です。
自分たちが味わったこともない料理を、説明することなど不可能です。
まるでマニュアルを読んでいるかのように聞こえてしまう。

また食材や料理に関する知識で知っていることは、試食会だけでなくその後も、どんどんサービススタッフに話しましょう。
特に若手の職人に説明を任せると、本人にとっても良い勉強になります。
サービスメンバーから様々な質問が飛ぶことがあるので、「そういえば何でこうやって仕込むんだろう?」と、新しい学びを自然と得るきっかけになります。

成果を出せるチームになるには、働いているメンバーそれぞれが自分のレストランに価値を感じていることが重要です。
そして、そんなチームをつくるためには、シェフやリーダーに求められるのは「巻き込み力」。

社員だけでなく、アルバイトや、洗い場のおばちゃんであったり、受付に座ってくれているスタッフまで、すべてのメンバーが一緒にチーム作りに関わっているのだと、感じられる環境をつくることです。

あなたのチームの扱う商品、本当の価値はいくらですか?