”自分の上司こそコーチングを受けるべきだ”というあなたへ

コーチングに触れた方から、
”これ、自分の上司にこそ受けてほしいです。”という感想をいただくことがあります。

すっっっごく良くわかる、その気持ち(笑)

ですが、受けてくださいと言われて受けてくれる上司なら、多分あなたは課題を抱えていないはずですね。

 

変えられるのは自分だけ

コーチングの基礎は自分に焦点をあてることです。テーマのなかで上司との関係や上司が感じていることなどに、焦点をあてることもありますが、最終的には、”じゃあそれに対して自分はどうするのか”に戻ります。

理由は簡単。他人を変えようとするのは、自分を変えるのに比べてすごく効率が悪いから。
人にはホメオスタシスと呼ばれる生命維持機能があって、これが変化から体を守っています。例えば体温が風邪などで上がると、体は一生懸命通常の体温に戻そうとしますよね。
自分を変えようとする他人は、言ってみれば風邪のウィルスみたいなものです。”どうしてあなたは変わらないの?”という態度で接すると、相手は頑なに自分を守ろうとするでしょう。

では”上司に変わってもらうために自分は何を出来るか”という課題を設定するのかというと、惜しい!ポイントは、そもそも上司に変わってもらうことで何を実現したいのか。つまり、もうひとつ先の目的をしっかりと描く必要があります。

例えばコミュニケーションが苦手な上司がいたとして、部下や周りのサービスメンバーなどに悪影響があるとします。理不尽に叱られるとか、必要な情報が降りてこない、とか色々あるでしょう。

では上司にコミュニケーションを改善してもらうことで、あなたはどうしたいのか。風通しのいいチームをつくり、メンバーが成長できる環境にしたいのか。コミュニケーションが活発なキッチンで、チームのパフォーマンスを上げたいのか。ここをしっかり描くと、自分が何をできるのかも、非常にわかりやすくなります。
チームのすべてのメンバーの名前を呼んで挨拶するとか、朝礼を改革するとか、自分の周りから始められることがあります。

少しスケールの大きな話をすると、この世界はすべてInteract(相互作用)しています。あなたの起こす行動が、誰かに必然と影響を与えるのです。
あなたの同僚が同調してくれるかもしれません。あなたの部下が、”先輩についていきます!”と言ってくれるかもしれません。サービスのメンバーにも良い波動が伝わるかもしれません。

上司を変えることに時間を使うよりも、ずっと早く様々な変化があります。

 

あなたの行動で、他人が”変わる”ことはある

そうはいっても気になりますよね、上司のこと。

チームのトップがコーチングを受けると、確かに影響力が強いので効果も早くでますが、部下からのコーチング的アプローチによっても、上司を含めたチームを変化させることは可能です。

変化させる、というと少し語弊があるかもしれません。どちらかというと、”結果として上司が変わる”というイメージです。

私も何度かやったことがありますが、けっこうエネルギーはいるのでそこは覚悟してください(笑)
ですが、上司&部下というのは立場の話で、コミュニケーションは基本人対人です。
あなたが上司を変えようとするのではなく、本気でチームを良くするために行動を起こすなら、上司がそれに影響される可能性は大です。

実際私のケースでは、”人を育てるのは時間の無駄”と言っていたシェフが、人材育成の研修をチーム内の中堅相手に私がやったとき、”ありがとう、助かるわ。”と言ってくれるようになったことがありました。

チームを巻き込んで変えていきたいと思うなら、できるだけたくさん自分の思いを語ることです。チームをこんな風にしたい、この部下をこんな風に育てたい。上司の反応はもしかすると最初そっけないかもしれません。でも何度も語ると、あなたが本気なのだと気づきます。

そして、コミュニケーションを良くすることでチーム内の関係性が少しでも良くなったなら、それをやっぱり上司や同僚に話します。例えばコーチングのスキルのひとつに”相手に考えてもらうために沈黙する”というのがありますが、職人はなかなかこれができません。自分は答えを知っているので、部下がすぐに答えられないとじれったくなって答えを先に言ってしまう。
でも”この間部下にこんな質問をしたときに試に黙ってみたら、びっくりするぐらい深い答えが返ってきたんですよ。じっくり考えたいタイプだったんですね!”という意見を聞いたら、どうでしょうか?

コーチングにおけるコーチ(キッチンなら部下を教える先輩)の役割は、背中で見せることです。コーチングによるアプローチを、自分が誰よりもやることです。うまくいっているかどうかよりも、チャレンジをしている姿を見せることが大切なのです。

自分が行動を起こすことに集中すると、だんだん人を変えることに目が向かなくなります。というよりも、良い意味で自分のことに忙しくてそんな暇がなくなるのです。
そうすると振り返ったときに上司やチームが変わっていたということはよく起こります。

明日はあなた自身をどんなふうに変化させ、行動に起こしますか?