キッチンで部下の自発性を育てる

以前働いていたレストランで海外のインターン生を受け入れたことがありました。


すごく優秀な生徒だという前評判だったのですが、
いざ来てみると遅刻や勤務中の携帯いじり、
さらに日本語がよく分からないのも手伝って、
与えられたことをやるだけの、とっても受け身姿勢。

キッチンはもともと“見て覚える”“仕事は取りに行く”の文化が色濃くあるので、
他のキッチンメンバーも呆れてしまって半分放置で、

インターン生にいっこ仕事を渡す
→精一杯時間をかけて仕事完了(笑)
→次の仕事を探して渡す
という状態に・・・・。

私も時々パティシエのヘルプでホテルに入るのですが、
こういうとりあえずの仕事の指示をされる方、実はかなり多いです。

余裕がないのかなあ、と思うんですが、これって目的地が見えないから、
走った方がいいのか歩いてもいいのか、どの道をいったらいいのか、
そもそも今どこに向かっているのか、分からなくて
受け身になってしまうし生産性がめちゃめちゃ下がるんですよね・・・。

そこでこのインターン生と

”そもそも何故日本にインターンに来たのか?”
”今、自分はどういう状態なのか?”
”レストランが大切にしていることと、インターンで持ち帰ってほしいこと”

を改めてしっかり面談する時間をとりました。
そして

・毎朝一日のTo do List をつくる
・一か月後に前菜の営業で独り立ちする

ことを合意して、チームにも共有と協力をお願いしたところ。

元々すごく頭の良い生徒だったので、
最初は日本人のメンバーに書いてもらっていたリストを
自分で”これは今日やる?””これは?”と作れるようになり、
営業に至っては1か月もしないうちに、
デシャップの会話を完璧に聞いて自分で考えて動けるように。

自分で仕事を組み立てる自由ができたら、スピードがぐんと上がって
”どうしたら自分がチームの役にたてるのか?”
を一生懸命考えて、動けるようになりました。

そして3か月のインターンが終わるころには
”いつでも働きに帰っておいで”と
シェフに言われるほどの人材に育ったのです。

”リーダーシップ”っていうと、
日本ではチームを引っ張るという意味合いが強いですが、
良いチームはメンバーそれぞれが自分自身に対してリーダーシップを発揮しています。

リーダーシップ=主導権を握る。

上司が主導権を握ったままで”自発的に動きなさい”と言われても、
部下は受け身なままです。

主導権を相手に渡してしまうと、自分で考え始めます。
放置するのではなく、手法を相手に委ね、
相手のリソースを最大限に引き出せるようサポートする。

そう考えると優れたリーダーは、
メンバーのセルフリーダーシップを発揮させるのが,上手な人なのかもしれません。

リーダーシップってそもそも何? 部下のモチベーションに火をつける方法