部下の学びには知識よりもアウトプットが大切

”シェフやリーダーが背中で見せる”

キッチンではとても大切な部分です。
一方でその言葉のとおり一番前に立ち続けると、部下は中々成長できません。
若い世代を育てるために必要なこと。

キッチンの最前線を部下に任せる

以前、誰よりも仕込をし、誰よりも掃除をし、誰よりも仕事をするシェフと働いたことがあります。とっても仕事が出来る上に感性も素晴らしかったので、チームのメンバーにとっては学びだらけ。
ところが、7年も8年も一緒に働いてる職人たちが、新卒1年目が言われそうなレベルのことでいつまでもシェフから怒られているのです。

何故だと思いますか??
それは得られた知識を発揮できる環境がなかったから。
誰でも最初から上手くいくわけないのですが、仕事が遅いと”俺がやるから貸して!”とすべての仕事を嵐のように片づける。それでは部下は成長できません。

かくいう私も8年前は同じことをやっていました。
カフェ育ちで同い年の後輩の技量が信じられず、メインの仕事を全部自分で抱え込み、
”彼女ができないから、私ばっかり仕事が増える・・”
と本気で思っていました。

どうやって仕事をやるか、は私の背中で見せていたわけですから、
彼女が成長するにはそれだけでは十分ではなかったわけです。

学びにするにはアウトプット(行動)が必要

例えば料理本を読んで得られる情報は知識です。実際には成長しているわけではないので、それだけでは料理は作れません。知識を元に実際に作ってみると、失敗したりする中でそれが学びに変わります。

つまり背中を見て”どうやればもっと早く仕事が終わるか”という知識を得た(インプット)なら、それを実際に部下が自分でやってみる(アウトプット)必要があります。ピンチに対応できる力を身に着けてほしかったら、部下を一度ピンチに立たせなくてはいけませんし、イニシアティブを取れる人材になってほしかったらミーティングを自ら仕切ってはいけません。

シェフやリーダーが常に最前線に立っていると、部下にはこの機会が中々訪れない。ですから、知識がたくさんあっても学びになっていない、非常に残念な状態が生まれるのです。

部下に失敗をさせられる懐の広さを持つ

部下にキッチンの最前線の重要な仕事を任せられるかどうかは、”失敗をさせられるかどうか”にかかっていると思います。

8年前の私はオーダーメイドのウエディングケーキをつくっていて、高額商品で一生モノという思いが強く、”失敗は絶対にできない。”と、思い込んでいました。
あ、もちろん顧客には失敗したケーキは出せませんが、自分自身が部下の失敗をカバーできる能力があればいいということです。

プロフィールにも書いていますが、私は当時の会社で部下育成にコーチングを使うことを学び始めたので、その後簡単なケーキから段階的に任せていって、最終的にはこの部下は優秀な右腕になってくれました。

失敗はそもそも行動を起こさないと出来ないので、それ自体が学びの要素です。
”絶対に失敗しないでよ”とプレッシャーをかけると部下は委縮してしまいますが、
”失敗しても絶対にカバーするから、思いっきりやってごらん。”と言われると、部下はのびのびと仕事を出来ますし、むしろ失敗する確率が減ります。

 

部下の可能性と自分のスキルを信じて最前線を任せてみる。
行動に落とし込むと、知識が学びに変わります。