脳のメカニズムから見るポジティブな言葉を使う理由

“ポジティブな言葉を使ったほうがいい”
”愚痴や悪口は良くない”

頭では分かっているけれど、中々難しいですよね。
ではネガティブな言葉を使っている時、脳のなかでは何が起きているのでしょうか?

脳は自分を正当化したい

脳は自分が”正しい”と思ったことと現実が一致しないと、違和感を感じます。
そのため一つの解釈をもつと、それが正しいと思えるような証拠探しを始める傾向があります。

例えばあるプロジェクトが上から降りてきたとします。
今までにやったことのない新しい案件で、様々な部署からの反発を受けそうです。
”このプロジェクトは無理だ”と思ったとする。
ここから脳は”無理”な理由を探し始めます。

例えば上司にそのプロジェクトについて相談したら、上司はあまり協力的でない。
”ほらやっぱり、このプロジェクトに乗り気な人なんていない。無理だよ。”
他部署から”これってどういうことですか!?”と質問が来る。
”皆前向きじゃないんだよ、無理だ。”

これは実際の現実とは関係がありません。
上司はたまたま他の仕事で手一杯だったのかもしれないし、
他部署の人は疑問をただ口にしただけかもしれないのです。

でも脳は起こる全てのことを無理”につなげてしまうのです。

愚痴や悪口には、かならず判断が入ります。
”うちの旦那は家事を全く手伝わない。”
”この部下は本当に出来ない。”
”私の上司は部下のことなんて考えていない。”

こう発言することで、脳はそれが正しいことを証明してみせるために
相手を監視さえします。そして、少しでもその傾向が見えたら
”ほらね!!”と鬼の首をとったかのように反応する。

こういう状態を避けるためには、そもそも愚痴や悪口を言わない、
参加しないのも大切ですが、事実をありのままに見る習慣をつけるのも有効です。

コーチングのスキルのひとつ、”認める”
これは自分の解釈を入れずに、そのままの事実を見ることです。

例えば誰かに”あなたはもっと働くべきだ。”と言われたとする。
”私は十分に働いているのに、この人はひどい”、これは解釈です。

事実だけを見るなら
”この人は私がもっと働くべきだと感じているようだ”です。

受け止める受け容れるは別物です。
相手が感じていることを”そうなんだね”と受け止めるのであって
だからと言ってそれを受け入れて、もっと働くということではありません。

この習慣が身に付くと、そもそも相手の言葉に反応することが少なくなりますし
相手をそのまま見ることが出来るようになります。

脳は主語を理解できない

もう一つの特徴は、脳は主語を区別しないということです。
例えば
”あいつはダメだ”
”私はダメだ”

この二つを脳は同じものとして考えます。
両方とも”自分はダメだ”として受け取るのです。

ということは、誰かにダメだしをしたり、悪口や愚痴を言ったりすることは
自分に対してダメだしをするのと同じということ。

また日本時独特の謙遜も同じです。
”いえいえそんなことないです。”
”私なんてまだまだ何もできなくて”
というメッセージを脳に送っていることになります。

逆に言うと、ポジティブな言葉に関しても脳は主語を区別しません。
誰かを褒めるときの
”すごいじゃん!”
”めっちゃ頑張ったね”
”よくやってるね”
も、自分への褒め言葉として受け取るので、
脳にとってはいい影響があります。

 

大切なことは解釈をしない、ということではありません。
そもそも、自分はどうしたいのか。
本当は部下に出来るようになってほしいなら
部下の愚痴を言っていても、いい結果は生まれないでしょう。
どうやったら部下が成長するのか、に焦点を当てたほうが上手くいきます。

急にポジティブなワードだけに変える、というのは中々難しいと思います。
まずはネガティブな言葉を使っている時、それに気づくところから。

 

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