ストレングスファインダー「公平性」の世界

ストレングスファインダーの公平性

この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「公平性(Consistency)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。

公平性は等しくする

全ての人を同じように扱う
これは公平性ならではの、人への尊敬の表し方であるように思います。「えこひいき」や「特別扱い」を嫌いますし、誰かが「不当に利益を得る」ことにも非常に敏感です。頑張っている人が正当に評価されず、うまく取り入った人が評価されるような環境には、黙っていられないのです。

例えば目の前に10人の人がいたら、同じコーヒーを全員に振る舞います。まだ入ったばかりだからこの人はコーヒーは無しとか、地位が高いこの人には最高級のコーヒー豆で、なんてそんなことはあり得ません。もし7人にしかコーヒーを出せないなら、そもそもコーヒーを出すことを止めてしまうぐらい、公平性は徹底しています。

「地位や立場に関わらず人は皆平等であるべきだ」というのが公平性の考え方です。グループの中に不平等さを感じ取れば、ただちにそのバランスをとるために挑んでいくこともあります。相手が上司であろうと、社長であろうと、関係ありません。

公平性の持つこのユニークな性質は、特にグループ全体をまとめる立場に立っている時に輝きます。自分自身も含め個人よりもグループ全体のニーズを重視し、全ての人に「平等の機会」を作ることで、グループ全体の生産性をあげてゆくのです。

公平性はルールをもたらす

Rules are the foundation of change; they create boundaries that prevent you from feeling overwhelmed and guidelines to keep you on track.
ルールは、変化の基礎となるものです。ルールは、あなたが感情的に打ちのめされるのを防ぐための境界線と、軌道に乗るための指針を生み出します。
ーCynthia Sass

公平性はかつては「Fairness(フェアネス)」という名前で呼ばれていました。フェアプレーという言葉があるように、公平性は「ルールに従って行動する」こと、またグループに対して、「全ての人に適用されるルールを作る」ことでも知られています。

ルールと聞くと、自由を奪われるような、縛られるようなイメージを抱く人もいるかもしれませんが、そもそもルールとは何のためにあるのでしょうか?

例えばスポーツの世界では明確なルールがありますし、サッカーやフィギュアスケートなど国際的な試合になればなるほど、厳格に決められたルールに従います。会議やワークショップの際にも、「グランドルール」として、その場での決まり事があったりしますよね。

ルールとは「この場では私たちはこの規則に従ってプレイする」という境界線を示すものです。全員が同じルールに従う、つまり同じスタートラインに立つことで、安心して、自由にクリエイティブにプレイすることが出来るのです。

「暗黙の了解」でルールが曖昧なまま物事を進めると、そこはカオス(混乱した)状態になりかねません。人は考え方もニーズもそれぞれに違っているのですから。

公平性が場にルールをもたらすのは、「人の多様性を知っているからこそなのです。違っている、けれども、ひとりで生きている人はいない。だからこそ、そこに生まれる不平等さを出来るだけ排除できるように、全ての人が同じように利益を得られるように、公平性は動き続けるのです。

公平性は一貫性を保つ

Consistent action creates consistent results.
一貫した行動が一貫した結果を生み出す
ークリスティーン・ケイン

公平性の根っこには「一貫性」を求める価値感があります。「Consistency」という英語名のとおり、物事が一貫して同じ状態で保たれることを好みます。人に対して平等に接することや、皆に共通のルールを決めるのも、この価値観が表現されたものです。

これまでに成果が出ていたやり方を、「誰もが再現できる明確な手順」にすることで、グループ全体に均一の成果を得る術をもたらすこともあります。ルーティンを繰り返すことを厭いませんし、それによって継続的にパフォーマンスを挙げる力を持っています。

「物事の繰り返しが優秀さに繋がっていく」ことを私たちは頭では分かっていても、実際に一貫した行動を起こすのは簡単なことではありません。公平性の持つこのナチュラルな才能は、チームが安定した成果を生み出すうえで、とても価値のあるものです。

成果を出すために日々必ずやる行動があるだけではなく、考え方や人への接し方も一貫しています。そのため良い意味で、公平性の言動は予測しやすく、それが信頼関係へと繋がってゆくのです。自分と他の人には別のことを言っているかも、なんて心配は無用ですし、昨日言っていたことが明日には変わってしまう、なんてこともありません。

ルールを守るよう周りに促すだけではなく、誰よりも自分がまずルールを守る姿を背中で見せるのでとても説得力があります。自分の利益よりも、グループ全体の利益のことを常に見ている、とても魅力的な才能です。

公平性を育てる

未熟な状態の公平性はもしかすると、「ルールや手順を守ること」そのものが目的になってしまうことがあるかもしれません。「ルール上では/マニュアル上ではこうだ」と途中のプロセスにこだわるあまり、相手がヤル気を失ったりして、本来得られるはずだったグループの成果が失われてしまうのです。

ルールを守らない人がいると苛立ちを感じるでしょうが、その人は例外を作ることによって起こる影響に、ただただ気づいていないだけなのかもしれません。なぜルールが必要なのか、例外を作るとどうなるのか、しっかりと伝えるようにしましょう。

同時に、物事には「公正な例外」というものも存在しています。例外を全く作らないことでグループの感情に揺らぎが生まれるときは、もしかするとルールや手順そのものを調整する必要があるのかもしれません。

個よりもグループに目を向けられるのは、公平性の素晴らしい強みのひとつです。一度決めたら終わり、ではなく、一貫した成果を得るためにどの選択肢がベストなのか、常に検討するようにしましょう。

公平性を世界にもたらす

Treating others with fairness and dignity is the ”rain” that helps them to grow and be fruitful.
(公平さと尊厳をもって相手に接することは、相手が成長し実りを得るための「雨」となるのです。)

もしスポーツの世界に何もルールが無かったとしたら、選手たちは安心して自分の技術を磨くことに専念できるでしょうか。相手が何をやるか分からない、そんな状況下では疑心暗鬼になったり、自分を高めていくことよりも別のことが気になってしまうかもしれません。

公平性の持つ天性の才能は、グループの中に一貫した安心感を生み出します。全ての人に共通のル―ル。明確に示された評価基準。そこでは、誰もが同じスタートラインに立てるのです。評価されるべき人は評価され、何が期待されていて、何が赦されないのかがクリアになっています。

この世界ではゴールを決めた人にしばしば賞賛がいきやすいもの。でも公平性の眼には、チーム全体が成果を出すために貢献した人の姿が、ちゃんと映っているはずです。「同じように賞賛されるべき人を賞賛することを、是非習慣にしてみてください。

不平等さや特別扱いに煩わされることなく、安心して自分のパフォーマンスに集中できるとき、人はどれだけの潜在能力を発揮できるでしょうか。公平性の中に息づく「全ての人は同じように扱われるべきだ」という思いが行動に変わる時、それは相手の可能性を開き、チームに大きな価値をもたらすだろうと思います。

誰もが好機を得られるような、平等さを場にもたらす公平性。
わたしが愛してやまない世界の一つです

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