【9/28(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「9月:前例(Pattern)」

休み方の極意~「家でゆっくり」は休めていない?~

テレビを見る犬

現代人には「脳のリフレッシュ」が必要だ

自由時間は仕事よりも楽しむのが難しい。好きなようにしてよい余暇があっても、それを効果的に使う方法を知らない限り、人生の質が改善することはない。

「フロー体験入門」by Mihaly Csikszentmihalyi

仕事の疲れを癒すために休日は家でのんびり過ごすという人、少なくないですよね。けれども一日が終わる時に「何だか疲れが残っている」「あまり休めた感じがしない」そんな風に感じたことはありませんか?

現代人の主な疲れは肉体よりも脳の疲れ。情報過多で過活動ぎみの脳に必要なのは、ゆっくりすることよりもむしろ「脳のリフレッシュ」につながるような活動です。

そういった活動のヒントになるのが「フロー状態」と呼ばれるもの。人はフロー状態になると、ドーパミンやセロトニンなどの神経物質が分泌され、「楽しい」「心地よい」「またやりたい」といったポジティブな感情に包まれ、活動そのものから精神エネルギーを得られるような状態になるのです。

「フロー状態」に必要な3つの要素

「フロー状態」とは、ポジティブ心理学の第一人者でもあるミハイ・チクセントミハイが提唱した概念です。人が何かに完全に没頭し、最高のパフォーマンスを発揮できる状態のことで、スポーツの世界では「ゾーンに入る」と表現したりもしますね。

チクセントミハイは「フロー状態」を生み出すためには、3つの条件が必要だと述べています;

  • 明確な目標
  • 明確なルール
  • 迅速なフィードバック

「フロー状態」に入りやすいスポーツを例にとると分かりやすいですが、例えばテニスでは「点をとる」という明確な目標があります。また「2回バウンドするよりも前に相手コートに返すこと」「1ゲームは4ポイント先取」など、明確なルールがあります。1ポイントごとに勝敗がありますから、フィードバックも即座に返ってきます。

こういったフロー状態に入れるような活動を休日に行うと、脳をリフレッシュすることに繋がっていくわけですね。

受身的なレジャーと積極的なレジャー

「フロー状態」に入りやすく、上記3つの条件を満たす休みの過ごし方は「積極的レジャー」と呼ばれています。テニスなどのスポーツやゲーム、読書、料理、アート系の手を動かす趣味がこれにあたります。

反対に、3つの条件から外れてしまう過ごし方は「受身的レジャー」です。Youtubeなどの動画やテレビ鑑賞、考えごと、余白を埋めるために「なんとなくやっている」スマホゲームや漫画アプリも含まれます。

これらのアクティビティはくつろげるものの、フロー状態とは逆の影響=無気力を脳に与えます。ゆっくり、のんびり、過ごして体は休めていても、脳は休息が取れていないという残念な状態に。

因みに休日に運動をしたりするのが良いことだと分かっていても、ついつい動画に手が伸びてしまうのは、「受身的レジャー」のほうが始めるエネルギーが少なくて済むから。ようは「お手軽」なんですね。その結果、脳の疲れが解消されない→さらに楽な過ごし方に走るという悪循環に陥ってしまいます。

休日の過ごし方とクリエイティブな脳

休日をどのように過ごすか、ということは、ダイレクトに仕事にも繋がっていきます。脳が十分にリフレッシュされるかどうかは、創造的な思考や決断力にも影響するからです。

また人間がパターン=習慣化する生き物であるということも忘れてはいけません。カフェで読書をすることが心地よいと感じる人は同じスタイルで読書を続けるでしょうし、夕食後は寝るまで動画をなんとなく見ているという人もそれが習慣になっていくのです。それぞれの活動は脳にどんな影響を与えるでしょうか?

くつろぐ時間はもちろん誰にでも必要なものです。もちろん時には、ぼーっと考えごとをする時間も。ただどれだけの時間をそこに費やすのかについて、私たちはもう少し繊細に考える必要があるのかもしれません。

脳をしっかりリフレッシュさせるために、あなたは休日をどのように過ごしてみたいですか?

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