【10/19(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「不確実性(Uncertainty)」

自分の見ている「世界」を変える方法

生きていると、自分の周りの世界を眺めて
「なんでもっと〇〇にならないんだろう」
「どうしたらこの状況を変えられるだろう」
と思うことがあります。

わたしは、自分が見ている「世界」を変えるには、2つのアプローチがあるかなと思っています。
「外」を変えるのか。
それとも
「内」を変えるのか。

「外側の世界」を変える

「外側の世界」を変えるとは、自分が見ている世界を、物理的に変えてしまうことです。コンクリートのビルで囲まれた都会に住んでいた人が、どこまでも山や草原が広がる田舎に引っ越したら人生が一変した、なんて話はよくあります。自分が変えたいこと、欲しいと思っていること、それが既に実現されている場所に、自分が移動する。

「会社はもっと社員を大事にするべきだ」と思うなら、「人を大事にする」会社に転職する。「攻撃的な言い方をする人には我慢ならない」と思うなら、「お互いを尊重し支えあう」コミュニティに身をおいてみる。

そうすると、自分が今まで「世界のすべて」だと思っていた場所は、ほんの一部分でしか無くて、どんな世界に自分の身を置くのか、本当はいつでも選べたのだと気づいたりします。

「わたしは一体何のために我慢していたのか」
これ、転職した後によくわたし自身が感じていたことです。16年間の職人生活の中で8回転職しているのですが、最終的にお給料は3倍に、働く時間は半分に変わりました。もちろん、最初の頃に働いたお店でしか学べないこともあったんですけどね。

「環境を変える」といったほうが、しっくり来る方もいるかもしれません。仕事の環境以外にも、住環境を変えるために引っ越しする。付き合う人を選んで自分の周りの人間関係を変える。SNSの世界との関係性を変えるのも、ひとつかもしれないですね。膨大な量の情報が溢れる今、「わたしたちに合う」とA.I.が判断したものを、いつも「世界」だと思って見ているわけですから。

とはいえ「外側の世界」を変えることの限界は、残念ながら「世界は思い通りにならない」ということ。自分の力で変化を起こせること、どうにも変わらないこと、両方があります。

特に対人関係については「相手を変える」ために努力するのは、時間のムダにしかなりません。人は「あなたは変わるべきだ」というエネルギーが自分に向かう時、防衛本能が働いてより「変わらない」ほうに動くからです。親と子供、夫婦、上司と部下、先生と生徒、色んな関係性の中で、よく見られる光景かもしれません。

「内側の世界」を変える

「外側の世界」を変えられない。でも、その状況がどうにもしっくりこない。
そんなときは、どうすればいいのでしょう。

わたしは尊敬する人が昔言っていた「この世界には、同じ世界は一つもない」という言葉がすごく好きです。自分の「外側の世界」は、自分の「内側の世界」が映しだされたものだ、とよく考えます。

例えば「秋」が好きだという人、好きじゃないという人がいます。「葉っぱの色が移り変わっていく美しさが好きだし、美味しいものが増える季節だから」というのも、「世界が色あせて物悲しい感じがするし、寒くなっていくのが苦手」というのも、どちらも真実です。

外側の世界は同じはずだけれど、「世界の見え方」が違っている。同じ「秋」でも、まったく違う世界を見ている。と、いうことは、世界の捉え方を変えれば、外側は同じでも、感じ方は変わってくるはずです。

昔オーストラリアに住んでいた時、雨が降ると面白い光景が見れました。通りを歩くひとたちは誰も傘を差さず、嬉しそうに雨の中を歩いているのです。「It’s beautiful!(なんて綺麗なんだろう)」という言葉も、よく聞きました。とても乾燥した気候で時に48度まで気温が上がり、シャワーは一日5分までという制限があるこの国の人にとって、雨は本当に「恵み」そのものでした。

雨は東京にいた時もフランスでも私にとって「憂鬱」なものだったのですが、それ以来日本に帰ってきてからも、窓の外から聞こえてくる雨の音に、どこか嬉しさを感じるようになりました。内側の世界が変わることによって、世界の見え方が変わったのです。

自分の中に「視点」が増えていくこと。
それは世界の多様さを、豊かさを、より身近に感じさせてくれるように感じます。

「視点」を増やすことで「世界」を選ぶ

「視点」は色々なものに存在しています。誰かの話を聞いていて、世界の見え方が変わった人もいるでしょうし、本を読んでそれが起こったという人もいるかもしれません。日常の生活の中の、そこかしこに「視点」は溢れています。

自分のなかにある「視点」を増やすことの大切さは、ほかでもない自分自身が、その「世界」を選んでいるのだと認識できることかもしれません。わたしたちは物事をある一つの視点から眺める時、それが唯一の「世界」であるように感じてしまうものです。他には選択肢がないような気がしたり、自分以外の誰かに選ばされているような気すらしてしまうのです。

ですが視点が増えて、視野が広がれば、数ある選択肢の中から、本当に自分が心から望むものを、納得感をもって選ぶことができます。

新たな「視点」を手に入れるために大切なことは、できるだけオープンな状態でいるということ。もし「自分の見ている世界が正しいのだ」という思いが強いと、心は閉じた状態になってしまいます。仮に新たな「視点」に出会っても、それが自分にもたらしてくれる価値に気づくことが出来ません。

心が開いた状態であれば、出会うものすべてが自分に新たな「視点」をもたらしてくれるかもしれない、そんなマインドで世界に関わることができます。そうすると、誰かが言った何気ない一言や、電車で見かけた広告の中にさえ、ぐるりと世界の見方を変えてしまうような視点を見つけることが出来るのです。

わたしが扱っているコーチングは、対話を通して、クライアントと一緒に「新たな視点」を探求していくプロセスです。コーチをしているときにも、クライアント側にいるときにも、たくさんの発見があります。動き回るのをやめて「立ち止まる時間」を持つこと。それによって、自分の周りに溢れる「視点」に気づけるのかもしれません。

ー自分の見る「世界」は選べる。
そんな考え方が、わたしは好きです。旅の目的地を自分で選べるように、人生にもそんな自由があると思っています。

ピラミッドに行きたくてたまらないのに、万里の長城に留まる必要はないはずなのです。サバンナで動物を見たいのに、北極でオーロラを見なくてもいいはずなのです。もし仮に、どうしてもそこにいる必要があるなら、自分がもっとその場所を楽しめるような「視点」を、手に入れたいなと思います。

あなたが今見ている「世界」は、どんな世界でしょうか?
人生という一度しかない旅をもっと充実させるために、あなたの内側に、外側に、起こせる変化はなんでしょうか?

▼コーチと一緒に新たな「視点」を探求しに行く

コーチングを受けることで得られる7つのもの ストレングスファインダーを活用して自分のコンフォートゾーンを広げるには?