コーチングを受けることで得られる7つのもの

コーチングで最も重視されるのは、目標達成までのプロセスの途中で得られる「学びや成長」。継続的にセッションを受けることで得られる可能性があるものを、私自身のクライアント経験も踏まえて具体的に7つ紹介します。

ありのままが認められる

ありのままの自分を認める
よく聞く言葉ですが、これけっこう難しいですよね。

人は色々なものを比べることで「自分」を認識しています。学生時代も、社会に出てからも「正解」があることが多く、私たちはその狭間で常に「これは良い」「これは悪い」と評価するのが癖になってしまっています。

コーチングの世界には「正解」が存在していません。全ての選択に、無限の可能性がある、という捉え方をします。どの道を選んだとしても、得られるものと失われるものがあるということです。
やったこともやらなかったことも並べて観察しますし、強みも弱みも両方扱います。ただただ自分の外側と内側の世界で起きていることを、ありのままに観察します。

「認める」という言葉は「見+留める」と表現されることもあるのですが、文字通りまっすぐ見ることが最初のステップ。目を背けずにしっかりと観察することで、様々なものが自分の内と外に存在することを、受け止められるようになります。

自己理解が深まっていくと、それは同時に他者理解へと繋がります。自分の感情・思考・行動を否定するのではなくありのまま認めることで、他者に対しても同じように認めることができるようになっていくのです。

コミュニケーションが良くなる

人は一日6万回、自分との対話(セルフトーク)をしていると言われています。そのほとんどは無意識に繰り返されていて、まるで水の泡のように浮かんでは消えていくのです。

例えばやりたい気持ちがあるのに中々行動が起きない時は、潜在意識下では「自分には無理だ」「変わりたくない」など別の感情や思考があり、行動はより深いところにある声に従います。このセルフトークには人それぞれのパターンがあり、コーチングではコーチとの対話の中で、この内なる声を丁寧に観察します
「一歩踏み出すのが怖い」という声を無視せずに、「具体的に何が怖いのか」「本当はどうなりたいのか」自分との対話のキャッチボールをしていくんですね。

コーチングでは人間関係のテーマもよく扱いますが、まずは自分にとって一番近い存在=自分自身との対話から始めます。「私はどう感じているのか?」「私はどうしたいのか?」などなど。そうすると次第に「自分主体」で考える思考パターンが備わり、「相手に変わってほしい」とか「どうしてこの人は出来ないのか」などのセルフトークが減っていきます

自分とのコミュニケーションが上手く取れるようになると、それと同時に他者とのコミュニケーションも良くなっていく。まるで鏡のような関係性です。

人は内側の深いところでは「本当はどうしたいか」を知っているものです。それが自分の内側にある他の声、「こうするべき」という思い込みや外部からの情報によって、かき消されてしまう。コーチングを継続で受けていると自分の内側の声によく気づくようになりますし、自分にとって納得のできる選択をしやすくなっていきます。

何かと軽くなる

私たちは普段、たくさんのものを背負って生きています。役割や日々のタスク、不安、などなど数えきれないぐらい。片手で持ち上げられるコップ一杯の水も、一日中持っていたら重く感じてしまうように、背負うことが当たり前になってしまった「何か」が、自分の歩みを妨げているかもしれないのです。

コーチングセッションでは、自分が今抱えているものを一旦降ろして、それをじっくりと観察します。

自分は何を抱えているのか?」
「本当にまだ抱える必要があるのか?」
「置いていけるものはあるのか?


並べて、整理して、持っていくもの、置いていくものを選ぶのです。自分が持たなくてはいけないと信じていたものを、もう持たないと決めることで、心も体も驚くほど軽くなります。

動き続けながら荷物を降ろすことは、中々出来ることではありません。コーチングは忙しい日常の中で「立ち止まる時間」でもあり、目まぐるしく動いている現代社会において、その価値は計り知れないと思います。

インスパイアされる

Inspire(インスパイア/動詞)

1. to make someone feel that they want to do something and can do it. 
誰かに「何かをしたい(そしてそれは可能だ)」と感じさせること
2. to make someone have a particular strong feeling or reaction.   
誰かに「ある強烈な感情あるいは反応」を与えること
3. to give someone an idea for a book, film, product, etc.   
誰かに「本、映画、製品などのアイデア」を与えること

Cambridge Dictionany

コーチングを受けると目標達成のスピードが上がったり、着実に前に進んでいくイメージがあります。ちょっと説明が難しいのですが、私の中ではこれ、「頑張ってやる」というよりも「ついやっちゃう」「やりたくなっちゃう」という感覚が近いのです。なんていうか、行動が目的なのではなく、結果として行動が起きるような。

コーチングは「インスパイアされるような創造的対話」と表現されることもありますが、この「インスパイア」という言葉を紐解くと、ラテン語の「In=中へ」+「spirare(息、息吹)」で出来ていることが分かります。

わたしは「コーチングハイ」と呼んでいるのですが、正に自分の中に息を吹き込まれたみたいに、セッションの後とにかく動きたい衝動に駆られることがあって。サクサク物事が進んでいったりします。

同時に自分の中のクリエイティブな部分が刺激を受け、これまでには頭の中に無かったアイディアが思い浮かぶこともあります。インスピレーションが降りてくる、なんていう言葉で表現されることもありますね。

コーチだけがインスパイアするのではなく、互いにインスパイアしている、というのもコーチングの特徴的な部分です。コーチもクライアントから多くのことを学んだり影響を受けていて、双方向で価値のある時間なんです。

見える世界が広がる

人が見ている世界というのは、だいたい両手を拡げた170°ぐらいだと言われていますが、何かに焦点を当てている時どれぐらい狭まるか知っていますか?

それはなんと36°

問題に囚われている時、何かが上手くいかない時、私たちが見えていない世界は330°近くもあることになります。

コーチとの対話のなかでやっていることの一つは「視点の移動」です。過去どうだったのか、未来にどうなっていたいのか、時間軸を動かしたり。上司にはどう見えているか、同僚にはどう見えているか、空間軸を動かしたり。様々な視点から観察することで、今自分が課題だと感じていることについて、新しい視点や選択肢を模索します

この視点の移動、原理は分かっていても中々一人では難しい。人は焦点を当てやすい場所にクセがあります。ストレングスファインダー®でもある程度そのパターンが見えるのですが、盲点は誰かに問われて初めてスポットライトを当てられます。もちろん私自身も。

継続でコーチングを受けていると、視点の移動が段々容易になっていきます。自分の視点が固まっている時にそれを自己認識できますし、そこから意識的に外すことも可能になります。自分の中にたくさんの視点を持てるようになるんですね。

自分の潜在能力を発揮できる

コーチングの原点とも言われる「インナーゲーム」の著者、Timothy Gallway(ティモシー・ガルウェイ)は人が発揮できる能力についてこんな方程式を綴っています。

Performance=Potential-interference

発揮される能力=持っている能力―妨害要因

人は誰でも無限の可能性を持ち合わせています。ところが多くの場合その能力は「自分には出来ない」という思い込みや、「こうあるべき」という外側の視点に影響を受け、中々フルで表現されることが無いのです。

コーチングでやっていることというのは、「何を足せばいいか」よりも「何をやらなくていいか」に近いのかもしれません。本来持っている力を発揮するのを邪魔しているものに、クライアント自らが気づき、それを取り除いていくのです。

上手くいかないとき私たちはしばしば「自分の努力が足りないのだ」と思いがちですが、本当はそうではなくて、成果が出ない方法で頑張っても結果はついてこないのです。

例えば海に生きるペンギンが、鷹のように大空を飛ぶことを夢見ても上手くいかないでしょう。でもペンギンは青い海の中を、それこそ鳥が飛ぶようなスピードで泳ぐことが出来るのです。

自分ではない誰かになろうとするのをやめて、「Who am I(わたしは何者なのか)?に気づく時、人が持っている能力は一番発揮されるのかもしれません。

自分が人生の主人公だと腹落ちする

誰にもならなくていい。
「わたし」のままでいい。
そこが、わたしが一番輝ける場所だから。

「Who am I=自分は何者なのか?」を探求し続けることで、自分が大切にしていること、どうしても譲れないことがハッキリしていきます。少しずつ自分の軸が強くしなやかになり、物事を主体的に選択できるようになっていきます。

誰もが物語の主人公なのです。その世界では、どこへ向かうのか、どの道を選ぶのかはあなた次第。誰もあなたにこの道を行けと強要することなど出来ません。
誰が何と言おうと、わたしはわたしの選ぶ道を誇りに思う
そんな風に思えるとき、人は自分の物語を本当の意味で歩き始めるのかもしれません。

もちろん人間だから、道に迷ったり遠回りすることもあるでしょう。でもだからこそ見える景色、出会える人々、手に入る成長もあるはずです。

コーチングをベースにしたツールPoints of You®でよく使われる、私の好きな言葉があります。

Trust the process.(プロセスを信じなさい)

自分自身を、相手を、世界を信じること。起きる全てのことが、自分にとって必要なプロセスなのだと信じぬく。

自分に変化を起こすということは、自分のこれまでの数十年間のパターンを変えていくということ。短期間でどうにかなるものではありませんが、真剣に向き合ってみれば、それはあなたの人生に大きな大きな価値をもたらします。

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