【12/21(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「奉仕(Service)」

ストレングスファインダー「アレンジ」の世界

ストレングスファインダーのアレンジ

この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「アレンジ(Arranger)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。

アレンジはパズルを楽しむ

同時にたくさんの物事をやりくりすることを、英語で「juggling(ジャグリング)」と言います。

アレンジという資質を説明するとき、このジャグリングという言葉は、非常に的を得ていると思います。周りのひとが「どうやって、あんなにたくさんのものを投げられるんだろう?」と思ってしまうぐらい、アレンジの物事の進め方はそれはそれは器用なのです。

同時にたくさんの物事を進めますが、それは決して睡眠時間を削って、というようなやり方ではありません。全体という限られた時間のパズルのなかに、ひとつひとつのピースを見事に収めることで、ぴったりと全てを繋ぎあわせてしまいます。パズルのそとに出ているピースもなければ、パズルの内側に余っている余白もない。非常に生産的で無駄のない組み合わせを生み出す才能です。

それはしばしば、職場のシフトや会議の進行、人材配置、旅行のスケジュールなど、調整を必要とされる様々な場面で活かされます。

アレンジは手放す

ユニークな物事の進め方を可能にする、アレンジの強みのひとつは「物事を手放す」才能から来ています。
たくさんのものを投げ続けるには、ひとつのものを持ち続けるわけにはいきません。少しだけ触れて動かすことはしますが、ずっと抱えたままだと、他のものを受け取ったり動かしたり出来ないことを、彼らは知っているのだと思います。

アレンジが手放す要素のなかには、「自分の考え」や「今までのやり方」「長い時間をかけたこと」なども、含まれます。これらは一般的には中々手放すことが難しいものですが、アレンジはより良いアイディア、より効果的なやり方があれば、躊躇なくそちらに変える柔軟さを持ち合わせています。

何かを手放して空いた手の中に別のボールを入れて、それをまた投げる。そんな風にして、アレンジは非常にたくさんの物事を、次から次へとやりくりすることができるのです。

必要な変化を起こすことを厭わないアレンジは、周りがカオスのように感じる状況であっても、器用にピースを並べ替えて全体を整えてしまいます。それは彼らにとって、むしろワクワクする、そんな時間でもあるようです。

アレンジは任せる

アレンジはしばしばオーケストラの指揮者に例えられます。素晴らしいオーケストラには、世界中から素晴らしいバイオリニストやチェリストが集まりますが、指揮者は同じレベル感でバイオリンやチェロの奏で方を知っている必要はありません。
観客を感動させられる音楽を生み出すために大切なことは、それぞれの演奏者から最高の演奏を引出すことであって、指揮者自身が演奏をすることではないからです。

アレンジは素晴らしい成果がチームに生まれるのであれば、動くのは必ずしも自分ではなくてよい、と考えています。その役割にピッタリの人、もっと上手くやれる人がいるなら、迷わず仕事を任せてしまいます
「何をやるか」という指示は出しても、「どうやってやるか」を細かく指示することはあまりありません。アレンジはパズルの中にピッタリとハマる人に、仕事や役割を渡しているので、そもそもその必要性がないことも多いと思います。

口を出さずに誰かに任せる、ということは、時に勇気がいるものです。仮に上手くいかなくてもその場で調整できる強みを持っている、というのもありますが、アレンジはそれ以上に相手の持っている才能を信頼しているようにも感じられます。

アレンジを遊ばせる

扱うピースが増えれば増えるほど、その組み合わせにワクワクするアレンジ。組み替える必要がないぐらいに、自分の手元のボールが減ってしまうと、スイッチが切れたようになってしまうこともあるようです。
パズルを組み合わせている時には持っていた集中力も思考力も、どこかへいってしまったりして。。。

物事にはしばしば終わりが訪れるものなので、自分が扱うピースの数は仕事でもプライベートでも減ることがあると思います。そのため、メインの仕事以外に、サブで出来る仕事を持っておいたり、もしくはコミュニティなどに所属して、扱うピースの数を自分である程度コントロールできるようにしておくと、アレンジの類稀な才能をさらに活かすことに繋がるでしょう。

アレンジを研ぐ

指揮者はオーケストラ全体の音楽と共に、第二オーボエの音を聞く
ーP.F.ドラッカー

第二オーボエ、というのはオーケストラの中でも重要なパートを占めています。一方で分かりやすいメロディーを奏でる訳ではないので、その音を聞き分けるのはとても難しいことなのです。

アレンジは同時進行させていることに対して不思議と、一つ一つのパーツの動き、そして全体の動きを同時に見ているような感覚があります。それぞれが互いにどんな影響を及ぼすかを的確に把握し、調整をかけ、全体がぴったり収まるようにするのです。フィットするパーツが見つからなければ、自分自身がそのパーツになることもあります。

指揮者がいなくとも、オーケストラの個々の楽器が音を奏でることはできますが、指揮者の価値とは、その音を組み合わせて音楽に昇華させることにあります。

アレンジの大きな特徴は、その先に必ず他者の存在があり、チームプレーヤーである、ということでしょう。1+1を3にも4にもしてしまうような、天性の才能なのです。

チームが機能しない原因はしばしば、全体のパズルのなかにひとつひとつのピースが上手くハマっていないことから起こるものです。アレンジの才能は、組織にとって、またそこに所属する人々にとって、とても価値のあるものだろうと思います。

物事の全体と個、両方の動きを見ながら、世界のパズルを創り上げるアレンジ。
わたしが愛してやまない世界の一つです。

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