ストレングスファインダー「規律性」の世界

ストレングスファインダーの規律性

この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「規律性(discipline)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。

規律性は組み立てる

規律性は「秩序」の世界に住んでいます。
例えば家の中や、仕事のデスクを見てみると、あらゆるものがきっちりと整頓されているのです。よく観察してみると、見た目が整っているだけではなく、とても機能的なことが分かります。

物があるべき場所に常にあるため、それこそ目を閉じていても、必要なものに手が届きます。
「鍵、どこにおいたっけ?」
「あの書類、どこにしまったっけ?」
なんて、物を探し回る時間は、規律性の世界には存在していないのです。

本の並べ方ひとつとっても、色別であったり、アルファベット順であったり、独自のルールを持っています。なぜそうしているのかを尋ねてみると、そこには日々の生活を効率化するための、非常に緻密な計算があったりして、思わず唸ってしまいます。それはある種の、美的感覚のようなものなのかもしれません。

規律性を表現するのには「architect=建築する」という言葉が使われるのですが、それこそ芸術的とも言える、物事の構造化に抜群に長けた才能です。

規律性はプランを立てる

An hour of planning can save you 10 hour of doing.
1時間の計画は、10時間の行動を節約できる。ーデール・カーネギー

規律性は部屋や本棚など、空間の構造化が得意なこともあれば、脳内の構造化が得意なこともあります。日々のスケジュールであったり、プロジェクトの進捗などが、しっかりと計画され、管理されているのです。

戦略性は全体を俯瞰することに長けていますが、規律性は全体の中のディテール(細部)を見ることに長けています。Excelファイルのように、緻密に計算された構造がそこにはあります(実際のところ、Excelファイルを使うのが好きな方も多いようです)。

構造というのは建物でいうなら基礎的な骨組みです。しっかりと作っておけば、嵐がきても地震がきても、安心していられます。ところが最初の構造がおろそかだと、やがては屋根を張り替えたり、リフォームをする羽目になり、より多くの時間やお金を費やすことになってしまいます。

緻密な計画を事前に立てることで、規律性は必要な行動とエネルギーをスリムにします。「あとは、プランに沿って淡々とやるだけ」そんな台詞をよく聞きます。

規律性の持つこのユニークな才能がチームの中で発揮されると、他の人が見過ごしてしまうようなミスや矛盾によく気づきます。大きな機械の中の歯車のズレ、ネジのゆるみに、即座に気づいてくれるイメージです。チームはしっかりとした構造と共に、前に進むことが出来るので、そこには安定感と共に効率がもたらされるのです。

規律性は繰り返す

Structure and discipline give us a freedom.
構造と規律がわたしたちに自由をもたらす。ーアンディ・フォックス

あらゆることが構造化されている規律性の世界では、日々繰り返される活動はルーティンになっています。「毎日同じ服を着る」ことで知られたスティーブ・ジョブズのように、自分のルールに従って、毎日やることが決まっているのです。

ルーティンがもたらすメリットというのは、「決断の回数」が減ることだろうと思います。人は一日に35000回選択していると言われていますが、その回数を少なくすることで、規律性は時間とエネルギーをもっと重要なことへと投資出来るのです。

日々繰り替えしている習慣というのは、やがては人生全体へと繋がっていきます。人生の質は、日々の習慣から始まっている、といっても過言ではありません。

運動であったり食事であったり、日々の生活のリズムをコントロールするルーティンを作り、難なく実行することで、常に安定したパフォーマンスを発揮できる、とてもユニークな才能です。

規律性を調整する

自分の世界にカオス(混沌とした状態)がもたらされると、未熟な状態の規律性はとてもイライラしたり、何も手につかなくなってしまうことがあるかもしれません。

この才能は世界的な統計を見ても、非常にレアな資質で、Top5出現率は30位以降。つまり、同じように空間やプロジェクトに秩序をもたらすことが出来る人は、決して多くはないのだということを忘れないでください。規律性の持つその構造化の力のほうが、とてつもなくユニークで特殊なのです。

規律性は完璧ともいえる計画を作るため、プロセスの途中で計画を変更したり、新しいアイディアを導入することを嫌う傾向があります。チームで仕事をしている場合は特に、予期せぬことがもたらす新たな可能性やチャンスについて、検討することを習慣にしましょう

規律性で秩序をもたらす

A goal without a plan is just a wish.
計画の無いゴールは、ただの願い事だ。ーサン・テグジュペリ

規律性の才能はどちらかというと内向き(internal)なことが多く、他者に対して同じように秩序化を望むわけではありません。

そのため、自分なりの構造化のルールやシステムを誰かに伝えることは、あまり多くないかもしれません。ですが、それは本人が思っている以上に、周りにとってとても価値のある宝なのです。

カオス(混沌)の反対はシステムであり、システムとはカオスから秩序を生み出し、それを運営持続しつづけることだと言われています。規律性の類まれな構造化の才能が他者に向けられるとき、その価値は計り知れません。

混沌の中にいる相手が、自分なりのシステムを構築できるよう、是非力を貸してあげてください。空間やプロジェクトを構造化し、そこに安定をもたらすのです。

それはやがて、相手が人生で本当に大切なことに時間とエネルギーを注ぐための、大切な大切な歯車のひとつになるのかもしれません。

緻密なプランと精巧な構造で、世界に秩序をもたらす規律性。
わたしが愛してやまない世界の一つです。

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