ストレングスファインダーの共感性を上位に持つ人なら一度は経験したことがあるであろう「私の気持ちを分かってほしいのに、分かってもらえない」。私も職人時代の1位は共感性なので、以前はよくありました。どうにかしたいけれど、自分でも扱いが難しかったりするんですよね。
この記事ではそんな共感性の扱い方について、私自身の経験を交えてまとめています。
まず、自分の共感性を認める
共感性は元々、自分よりも他者に焦点が当たりやすい資質です。分かってほしいのに分かってもらえない時にやりがちなのが、自分の気持ちをおいて相手の事情を理解しようとすること。
「分かってほしいとか、私わがままだよな」とか。
「他の人は気にしてないのに、私だけこんな気にしてだめだよな」とか。
特にストレングスファインダーを受けていると、多い資質でも上位に出るのは全体の20%ほど。皆が皆共感できるわけじゃないって、頭では分かっているんですよね。ただ、心がついていっていない。
いいですか?共感性は全資質の中で唯一、全ての感情に焦点を当てる資質です。だから、強みとして活かしていくためにも、自分の感情は大切にしてほしいのです。
「私の気持ちを分かってほしい」が出てきたときに最初にやることは、共感性が共感されたがっている、という事実をまずはそのまま認めることです。誰かに「そんな気にするなよ」とか言われても、自分だけは絶対に自分の味方でいてください。
「あ~私悲しかったことを、共感してほしかったんだなあ。」
「仕事で嬉しかったことを、一緒に喜んでほしかったんだなあ。」
感情がもやもやするときには、自分の感情と共感性の動きを観察する習慣をつけます。まず、目の前の事実をそのまま受け止める。これ、次のステップに進むうえでとっても大切です。
自分と相手の違いを認める
共感性が「分かってもらえない」というとき、そこには暗に「分かろうとしてくれない」が隠れていることがあるのかなと思います。
共感性がもうひとつ理解しておくといいのは、共感性の言っている「分かってほしい」=「共感してほしい」に限りなく近い、ということ。自分がやっているのと同じレベル感での、感情を理解してほしいと望んでいたりする。
私の知り合いで共感性が中位ぐらいのコーチが、以前こう言ったことがあります。
「相手が感じていることを分かりたいとおもうのだけど、本当に分からないんです。。。。」
分かろうとしていないのではなく、本当に分からなかったりするのです。
共感性は世界的にみても女性と男性で上位に上がる率がかなり違います。女性は4位、男性は20位前後。このデータだけみても、同じように共感できる人の数がそもそも少ないことが分かるかなと。
つまりそれだけ、あなたが持っている才能は貴重であるということ。もし全ての人が息をしているように、共感もできるとしたら、この資質自体なくなっちゃう。
「分かってもらえない」と言っている時の共感性はどちらかというとベースメント(弱み使い)ですが、ストレングスファインダーの哲学は「まず、強みにフォーカスせよ。」自分の共感性がどんな場面で、どんな風に活きているかしっかり理解できていると、こんな風に弱みがでたときにも対処しやすくなります。
共感性の「分かってほしい」を落ち着かせるには
そうはいっても共感してほしいんだよ~!!!という時もあるでしょう。分かります、私もありました(笑)。そんな時の対処法は2つ。
一つ目は共感してくれる人に「分かってもらえなくて、悲しかった」という話をすること。共感性は気を使わずに素の自分で話せる相手を持っておくのが大切です。基本的に相手の感情に配慮しながら話をするので、相手によっては自分の本音を引っ込めてしまうクセがあるから。信頼できる相手に「うんうん、わかるよ~」と感情に寄り添ってもらっているうちに、共感性が落ち着きます。
二つ目は共感性を認めてくれる人に話すこと。必ずしも共感性を上位に持っている必要はありません。「あなたは共感してもらえなくて、悲しいと感じたのね」と、受け止めてくれる人。
因みにこれ、ある程度の経験のあるコーチなら皆さんできると思います。クライアントが感じていることをありのまま受け止める=認めることはコーチングの基本中の基本だから。ストレングスコーチの場合はあなたの共感性を一緒に育てていくこともできるので、一石二鳥かもしれません。
またコーチと一緒に「分かってほしい問題」を扱う際には、コーチに依存的にならないように、自分自身のリソース(友人や家族、コミュニティなど)を使って「分かってほしい」というニーズを満たすシステムを作っていくことも重要です。共感性が成熟してくると、必然的にニーズは弱くなり、むしろ他者に共感をもたらすという使い方になっていく傾向があるかなと思います。
ストレングスファインダーの資質は思考・感情・行動のパターンなので、パターンさえ分かってしまえば同じ状況下で対処しやすくなります。そして、大切なことなので何度でも言いますが、弱みに対処するのは強みに焦点を当てた後です。
誰かを分かろうとする共感性の想いが存在しているから、世界は優しくなるのです。どうかそれを忘れずに。
共感性は「環境を選ぶ」ことで才能を発揮する 「感性」とは見えないものを見るセンスである