【10/19(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「不確実性(Uncertainty)」

ストレングスファインダー「共感性」の世界

ストレングスファインダーの共感性

この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「共感性(Empathy)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。

共感性は第六感

共感性は「第六感」。見たり触れたりするのと同じように、誰かの感情を感じるとてもユニークな資質です。少し動物的な感覚というか、人間だけではなく犬や猫の感じていること、欲していることもなんとなく分かってしまうという人もいるかもしれません。

個人の感情だけでなく、グループ全体の感情も察知します。例えば職場に入った時、そこにいる人達が今情熱を持っているのか、疑いや不安を持っているのか、直感的に感じます。

共感性は相手が言葉を紡ぎだすのに困るとき、その気持ちにピッタリの表現を差し出すことがあります。「え!なんでわかったの??」というセリフを相手からよく聞くかもしれません。言葉にならない声、言葉にならない思いを、相手の代わりに形にすることができるような、天性の「聴く」才能を持っています。

他者の思いを理解しようとする共感性は、基本的に相手の考えや思いを否定することがありません。そのため「この人はきっと自分の思いをわかってくれる」という安心感を相手に与えることができるのです。

五感が常に動いているように、共感性もまた、スイッチをオフにすることは少し難しいようです。24時間ずっと稼働していて、周りのありとあらゆる感情が自分の中に入ってくるので、時にはその感情を外に解放することが必要です。

目を酷使したら休ませる、体が疲れたらしっかり眠るように、笑ったり歌を唄ったり誰かに話したりして、自分の感情を解放する時間を持つことは、共感性をメンテナンスし強みとして活かすために役立ちます。

共感性はシンクロする

共感性の「そうだよね」は相手がそのように感じていることを理解しているのであって、共感性本人が同じ気持ちであるわけではありません。

共感性の英語訳は「Empathy」で接頭語の「em-」には「中へ」という意味合いがあります。よく「Sympathy(同感)」と間違えられますが、ここには大きな違いがあります。

例えば飼い犬が死んで悲しんでいる友達がいたら、自分の犬が死んだときのことを想像して悲しくなる。これは「Sympathy(同感)」。共感性は相手の感情にシンクロしていくので、仮に同じような体験をしたことが無くても、相手に共感することができます。
「Sympathy(同感)」は自分が主体ですが、「Empathy(共感)」は相手が主体です。

相手の目で見て、相手の心で感じることができるこれはとても独特な共感性の強みのひとつです。

共感性を旅させる

Hidden in your deepest feelings is your highest truth.

最も深い感情の中に、最も高い真実が隠されている。要はこの感情を掴むことだ。
-Neale Donald Walsch

共感性の不思議なところは、人の感情を言葉にすることができるのに、自分自身の思いを語る言葉が見つからなかったりすることです。他者の思いを優先しようとするあまり、度々自分の感情を後回しにしてしまうので、意外と自分自身の感情には鈍感な一面があります。

開花した共感性は、自分の感情を見つめ、自分をシンクロさせる場所を選びます周りの人など環境に強く影響を受ける共感性は、向上心の強い人や何歩か先を行っている人の傍に身を置くと、気付くととんでもなく高いレベルまで引き上げられていることがあります。

周りに染まれるのは一つの才能です。様々な環境に身を置き、何に共感性をシンクロさせると、自分の気持ちが上がっていくのかじっくり観察してみましょう。

「私はどう感じているのか」
「私は本音ではどうしたいのか」

この質問を繰り返し、自分の感情に言葉を与え、浮かんだ答えをそのまま行動に移していく。これは共感性のポテンシャルを最大に発揮するうえで、とても大切な要素です。

共感性を撫でる

共感性には「人の思いを大切にしたい」という価値観があり、それが「聴く天才」ともいえるこの資質の強みを生み出しています。

一方で日常生活の中でどうしても「聞き役」に回りやすいため、自分自身のことを話して誰かに共感してもらう機会が少なくなりがち。その上誰もが共感性をもっているわけではないので、期待したほど分かってもらえず、共感性が拗ねてしまうことがあります。

自分の才能を強みに開花させるためには、まず自分を満たすことから。必要な時に共感してくれる人を持つことも大切ですが、自分の共感性に共感してあげることも、とっても大切です。

ストレングスファインダーの「共感性」を飼いならすの中で、私にとっての共感性は柴犬だと書きました。
拗ねている時の共感性って、本当はボールで一緒に遊んでほしいのに、ご主人さまに気づいてもらえなくて、でも「遊んでほしいな」と甘えるのもできなくて、気付いてもらえるまでボールのそばで待ってみる柴犬に似ているのです。

「相手が気づいてくれるのを待つ」というアプローチは、もしかすると相手がエスパーでもない限り難しいことかもしれません。ですから、もし共感性が拗ねちゃったら「どうしたの?何が欲しいの?」って、まずは自分自身に聞いてあげてください。

自分の感情を丁寧に見つめる。大好きな音楽を聴くことでも、どこかに食べに行くことでも、映画を見ることでもなんでもいいので、自分の共感性がちょこっと笑顔になれることをしてあげてください。

満たされた共感性はまた、その誰よりも愛に溢れた強みを発揮できるようになります。

共感性は人を動かす

Aimer ce n’est pas se regarder l’un l’autre.
C’est regarder ensemble dans la même direction.

愛するということは互いに見つめ合うことではなく、
ともに同じ方向を見つめることである。
ーサン・テグジュペリー

一件柔らかそうなイメージのある共感性、強みに開花すると、とてもパワフルで愛にあふれています。

人は頭で動くのではなく、心で動きます。相手と同じ絵を見ることが得意な共感性は、相手の感情に響く言葉が分かります。共感性は過去や現在の感情だけでなく、未来の感情も感じることができるので、どんな言葉なら相手を勇気づけられるかがよく分かっているのです。

アドバイスは相手を感情的にブロックさせることがありますが、共感性の言葉は相手の心にすっと沁み込みます。

「あなたがあの場所にたって輝いているのを私も一緒にみたい」開花した共感性のこんな一言には、私利私欲が一切入りません。だからこそ、ストレートに、とても強く相手の心に響きます。

相手の心を動かし、相手が一歩前に進むための勇気を生み出すことができるのです。

世界中の思いを理解し、同じ方向を見つめようとする共感性。
わたしが愛してやまない世界の一つです。

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