ストレングスファインダー「包含」の世界

ストレングスファインダーの包含

この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「包含(Includer)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。

包含は巻き込む

包含は、組織やコミュニティの輪の外側にいる人を敏感に感じ取ります。ただ気づくだけではなく、その人を輪の中へと招き入れます。

幼い頃から、少し離れたところにいる子にも「一緒に遊ぼうよ!」と声をかけていた、という人が少なくありません。輪の外側にいる人がどんな風に感じているか、本当は中に入りたいと思っているのかも、直観的に感じていることが多いようです。

包含は境界線をより外側に広げたり、もしくは境界線そのものを無くしてしまいます

「皆で」とか「一緒に」は、包含が大切にしている価値観の一つです。ちょっと話をしていただけなのに、気づいたら巻き込まれていた、なんてことも日常茶飯事。もっとも包含は輪の中に相手の居場所をちゃんと作った上で招待するので、そのプロセスはとてもナチュラルです。

包含は視点を増やす

包含が境界線を無くすことによって恩恵を受けるのは、決してその外側にいた人だけではありません。内側にいる人にとっても、境界線が無くなる、ということには価値があるのです。

人の視野というのは180度ほどですが、その中で実際に焦点を当てている場所というのは、ほんの36度ぐらいしか無いそうです。人は皆、自分の視点から物事を見ています。フィルターをかけて自分の見たいように見ているので、そこにはどうしても偏りが出来てしまいます。

また人が作る輪も、しばしば似たような視点で物事を見ている人で形成されます。当然、その輪の中の世界の見方には、偏りが生まれます。

包含は、輪の外側にいる人がもたらす価値を知っています。それは今は内側にはない視点です。境界線を無くし、輪を広げるとき、そこには多様な視点がもたらされますこの世界にムダな視点などなく「全て同様に尊重されるべきもの」というのが包含の価値観なのです。

包含は包み込む

包含の類稀な強みのひとつは、その内側から溢れる「受容力」です。
包含は人を外側だけで判断することがあまりありません。肌の色や、国籍、職種、病気など、世の中で差別を受ける可能性のある様々な特徴は、包含にとって境界線には成り得ないのです。

「なぜ切り分けたり、境界線を作る必要があるのか」
包含はそんな風に思うかもしれません。 小さい頃から人の多様性に囲まれ、当たり前のようにそれを受け入れてきた人も多いようです。異なる特徴を認めながらも、相手と自分が同じ輪の中にいる部分もたくさん見えているのです。

組織であれ、コミュニティであれ、そして家族であれ、「自分はここにいていいのだ」という感覚は、人が生きていく上で必要不可欠なものです。
包含のオープンさとそのアプローチは、多くの人の心を温め勇気づける力を持っています。

包含は繋げる

If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together.
早くいきたいなら一人で行け。でも、もし遠くまで行きたいなら皆で行け。
-アフリカのことわざ

包含のもつ受容力が生み出すもうひとつの才能は、その場にいる人に所属感(sense of belonging)をもたらすことでしょう。

人は「自分が受け入れられている」と感じることで、より豊かな対話をすることが出来ます。より自由にアイディアを出し合うことができます。主体性が生まれ、コミュニケーションが活性化するのです。

人が集まるありとあらゆる場面で、包含はその力を発揮します。学びの場であれば、より豊かな対話によって学びの質が高まるでしょう。組織であれば、メンバーの主体性を発揮させ、チームの成果を高めることに繋がります。

企業などでもよく使われるエンゲージメントという言葉は、双方の繋がりの強さを表すものですが、包含のリーダーを抱くチームメンバーは、チームに対するエンゲージメントが高くなる傾向があります。「わたしのチーム」「わたしの会社」。この繋がりの感覚から生まれる安心感は、人が本来のパフォーマンスを出したり新たなチャレンジをする上で、とてもパワフルなものです。

スポーツでもビジネスでも、 優秀なプレーヤーをたくさん集めても、彼らがチームプレーヤーでなければチームとしての価値は生まれないでしょう。包含は、一人ではなく皆で一緒にやることで生まれる価値の大きさを、誰よりも知っているのだと思います。

包含で橋を架ける

We build too many walls, and not enough bridges.
我々はあまりにも多くの壁を築き、十分な橋を架けていない。
ーIsaac Newton

この世界には、様々な境界線が存在しています。例えば国と国、会社と会社、部署と部署、上司と部下、利害や階級など、さまざまな線やものさしで、私たちは切り分けられています。
そして二つの間に生まれる溝や空隙は、時に大きな海原のように、両側にいる人の心を隔ててしまうもののように感じます。

はるか昔、海の向こう側へ渡った人々が得られたものは何だったでしょうか。新しい文化や習慣、物事の捉え方や考え方。境界線の外側にあったものが、内側にあったものと統合されるとき、そこにはより豊かな視点が育まれたのではないでしょうか。

見えない海に橋を架け、両側を溶け込ませる包含のユニークな強みは、時と共に多様性が増すこの世界において、とても価値のあるものであるように思います。それは双方の世界をよりカラフルに鮮やかにするだけでなく、人々の心をフワリと包み込むような、そんな温かな力を秘めているのです。

ありとあらゆる境界線を無くし、世界を包み込む包含。
わたしが愛してやまない世界の一つです。

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