この記事ではストレングスファインダーの34資質のひとつ、「個別化(Individualization)」の持つ世界観やその活かし方について書いています。
個別化は観察する
花にはバラやチューリップなど様々な種類があります。そして、同じ種類でもピンクやオレンジ、色んな色がある。同じピンクの中にも、桜色、アンティークピンク、マゼンタ、色んなピンクがあるし、もっというと同じ桜色の花にも一本一本表情があって、同じものはひとつもない。
個別化はそんな風に人を見ています。その人が発する言葉、仕草、好きなもの、得意なこと・・そんな一つ一つの「個性」を、とても鮮やかに捉えることが出来る才能です。
個別化はその人だけが持つ、他人とは違う特徴を観察しています。小さい頃から人間ウォッチングが好きだったという人も少なくありません。家に尋ねてくる大人たち、電車で乗り合わせる人々、もちろん家族や友人たちも。
人と人の違い。それは個別化にとって興味をそそられる魅力的なもの。「目の前の人はどんな個性を持っているのだろうか?」そんな風に相手を見ているときの個別化の目は、好奇心に溢れ輝いています。必ずしも長い時間を一緒に過ごさなくても、その人がどんな人であるのかを直観的につかむことができる、とてもユニークな才能です。
個別化はカスタマイズする
本屋に行くと、たくさんの成功本が並んでいます。試しに一冊買って、書いてある通りのやり方をやってみるけれど、どうにも上手くいかない。「私って努力が足りないのかな・・(涙)」、こんな経験をした人は少なくないのではないでしょうか。
一般的に本に書かれている成功パターンは、その著者が成功したやり方にすぎません。背景も考え方も違う、その人のやり方があなたに合わなかっただけだろうと思います。
万人に通用するやり方など存在しない、というのが個別化の価値観です。「人はそれぞれ違っていて当たり前」であり、型にはめることなど出来ない、という考えが彼らの根底には流れています。
そのため、人に対する話し方や接し方、育て方など、様々なものを一番相手に合ったやり方に変えることを個別化は得意としています。意識をして合わせている、というよりも、本人も気づかないぐらい自然にカスタマイズをしていることも多いようです。
相手の個性が一番活かされるアプローチをしたい、と個別化は願っています。そんな彼らの姿勢はしばしば、組織の中において眠ってしまった誰かの強みを、開花させることがあるようです。
個別化は贈る
個別化が持つもうひとつの才能は「贈る」こと。この分野において、彼らの右に出るものはいないでしょう。
クリスマスや誕生日のプレゼントはもちろん、ちょっとした差し入れやお土産まで。彼らは贈る相手のことを思い浮かべ、相手にピッタリの一品を選ぶ天才です。
「そういえば、このブランド好きだったよな」
「最近、日本酒にはまっていると言ってたっけ」
相手の好みや近況、様々なものを考慮して、「これ、欲しかったの!!」と、相手を喜ばせるような贈り物を選ぶ。ギフトを贈られる相手だけではなく、ピッタリの一品を選んでいる時間は、個別化にとってもワクワクする至福のひと時であるようです。
個別化は受け止める
Be yourself. Everyone else is already taken.
あなた自身であれ。他の誰かはもう全て取られているのだから。
~オスカー・ワイルド
人の指紋には同じものは無く、声も一つとして 同じものはありません。個別化はそれに加えて、人が見ている世界の色がほんの少しずつ違っていることを、聞いている音が少しずつ違っていることを、無意識レベルで知っています。
世界の捉え方が違うということは、考え方もそれぞれ違って当たり前。
個別化は、人に対してとても寛容なところがあり、周りの人がビックリするような誰かの一面も「まあ、それもひとつの個性だな」と受け止めてしまえる懐の深さがあるのです。
開花した個別化と一緒にいる人は、自分が「唯一無二の存在である」と感じることが出来るでしょう。ものすごく素晴らしいところも、とんでもなくダメなところも、すべては「自分という存在」を構成する、ユニークな個性の欠片であると捉えることができるようになるのです。
個別化で個性を輝かせる
個別化は、ストレングスファインダーのエッセンスが、自然とインストールされている才能とも言えます。
TOP5だけでも3300万通り、全34資質だと世界人口以上の組み合わせ。つまりは一人一人持っている才能は違う、というストレングスファインダーの哲学が、自然に腹落ちしているのが個別化なのです。
個別化には「その人だけの才能」を見る才能があります。相手が「これは誰でも出来ることだよね」と思っていることが、いかに他の人と違っているかを、本人以上に自然と捉えることが出来ます。
「自分らしさとはなんだろうか?」と人が問うとき、それは他者と比べることによって浮き上がってくるものなのかもしれません。
個別化の贈る才能を使って「言葉のギフト」を贈りましょう。相手がどれだけユニークであるか、あなたに見えているその人にしかない魅力を、言葉にして伝えるのです。それは相手の持つ「自分らしさ」の光を引き出し、より輝かせることに繋がるはずです。
世界中の人が持っているその人だけのユニークな個性を、誰よりも愛しむ個別化。
わたしが愛してやまない世界の一つです。