旅するように生きるコツ~「日常の壊し方」~

旅するように生きる

旅するように生きる
とはいっても、実際に旅しながらボヘミアンな生き方をしようということではありません。

国内旅行でもいいけれど、できれば海外旅行に行ったときの感覚を日常に持ち込んでみる。それはまるで実際に旅したときのように、あなたの目の前の世界をぐっと広げるキッカケになるはずだから。

「トラブル」は旅の醍醐味

日本を離れた旅先って、何かと「予想もしていないトラブル」が起きることがあります。例えばイタリアはローマの日曜日、スーパーが夕方4時に閉まるのを知らずに水のペットボトルを求めて三千里するとか。もしくはドイツの田舎町、予約したゲストハウスのオーナーのおばあちゃんが寝ちゃってて、ピンポン押しても誰も出てこず野宿するとか。

その瞬間は「え、ありえへん!!!」と焦りまくるけれど、数年経っても記憶に残っているのは、そんな「トラブル体験」の数々だったりしないでしょうか。

あなたは、日常で何か失敗したりトラブルが起きた時に、「なんで、こんな事起きたんだろう」「なんで、私ばっかりこんな目に合うんだろう」と、悲観的に捉ええますか?それとも「新たな旅の一章、来た!!」と、そのトラブルを面白がりますか?

私たちは目の前で起こる物事を「変える」ことはできなくても、それを「どのような物語として語るのか」は選ぶことができます。自分の解釈次第で、悲劇にも喜劇にもひっくり返ります。

旅行先ではなくても、日常の中に「物語」は溢れています。あなたは自分の日常を、どんな風に語りますか?

日常で「感性」を目覚めさせる

感性」とは、外界の刺激に対して何かを感じる感受性のこと。様々な感覚を司る「五感」とは切っても切れない関係にあり、慣れ親しんだものが少ない旅先ほど、この「五感」はとても敏感になります。

飛行機から南国の空港に降り立った瞬間に感じる、ムワッとした生暖かい風。現地の人が集う市場に立ち込める、名前も知らないスパイスの香りや、果物の甘ったるい匂い。日常とかけ離れた景色であればあるほど、その色も形も、とても精彩に目に飛び込んできます。

「ああ、生きているな」と感じるのは、そんな五感が野生動物のように開いている瞬間なのでは、と時々思ったりするのです。

では日常の中で「五感」はどうなっているかというと、ネットの情報や動画アプリなど、「視覚」や「聴覚」を必要とする情報は溢れていますが、「味覚」や「嗅覚」、「触覚」に関しては、物理的な接触が必要です。しかも仮に出会ったとしても、あなたの感性がそれをキャッチしなければ、そのままスルーされてしまうのです。

日常の中で「五感」を開くコツは、多くの情報を得ている視覚以外の五感を意識的に使うことです。例えば「嗅覚」なら、出汁でも果物でも、しっかり香りを嗅いでみる。もちろんアロマや線香などを使うのもアリですが、雨の香りや金木犀の香りなど、日常の中にある香りを意識して見るのも、とっても良い。

「聴覚」なら、音楽を聞くことだけに集中してみます。お風呂の中に防水スピーカーを持ち込んでお気に入りの曲を聴くなら「触覚」も同時に刺激できますし、演奏会など生の楽器を聴けるチャンスがあるなら、それもまた素敵。

「味覚」に関しておすすめなのは、目を閉じることです。人が視覚から得ている情報は8割ぐらいあるので、遮断すると他の感覚が開きやすくなります。例えば、ご飯を口に入れてから目を閉じるとほのかな甘みを感じますし、目を閉じてビールを口にすれば、泡の細かさや液体の冷たさをより鮮明に感じることができます。

じつは多くの情報を受け取っている「視覚」も、画面上でたくさんの情報を見ている影響で、現実世界の細部や色に鈍感になっているそうです。感性が蘇ってくると、視覚もまた蘇ってきます。 いつもの通り道に咲いている花や、街路樹の新芽を見つけたり。空の青さや、雲の形や、月の光りに、改めて気づくことができるようにもなるでしょう。

五感が蘇ることで日常の中にも、旅先のような「新たな発見」の機会が増えるのではないでしょうか。

「普段やらないこと」にチャレンジする

旅先って、いつもならやらないような事にも挑戦できることありますよね。バスで何時間もかかる秘境に行ってみたり。ドキドキしながら現地のキャンプツアーに参加してみたり。頭のどこかで、「こんなチャンスはもう二度と無いかもしれない」そう思うと、少し勇気が湧くのかもしれません。

私たちが普段何かをやらない時、頭の中では「今じゃなくてもいいか」「またいつか別の機会に」という囁き声があったりしないでしょうか。

その声を「もしこれが、ラストチャンスだったら?」「もうその機会は二度と巡ってこないとしたら?」に置き換えてみたら、日常からちょっと抜け出して、いつもとは違うことにもチャレンジしやすくなりそうです。

気になっていた陶芸教室の体験にとりあえず参加してみる。いつか行きたいと思っていたレストランに行く。舞台を見に行ったり、アートを見に行くのも、非日常の体験です。

もしくは、いつも自転車で通る道を歩いてみたり、今までに入ったことのない路地を通ってみたり、読んだことのない作者の本を読んだりする。そんな小さなことの中にも、「日常を壊す」チャンスはいくつも眠っているのです。

加えてもう一つ旅先で起こりやすいのは、「財布の紐がゆるむ」ことでしょう。私の場合は特に「体験」に関わること全てなのですが、アクティビティから食べ物まで「せっかくここまで来たのだから」と、やらないよりはやるほうを選ぶのでお金がブレーキになることが少ない気がします。

もちろん日常でも同じように散財しましょう、という話ではないのですが、自分が心から望む「体験」にはもっと時間やお金をかけてあげてもいいのかなと思うのです。

最後に:日常を旅すると「物語」が生まれる

海外の見知らぬ街に降り立った瞬間、「自分が世界と分断されている」ような感覚をもつことがあります。知らない人、知らない風景、知らないお店。それこそゲームのリセットボタンを押して、最初から物語を始めるような、レベル1に戻るような感覚です。

日常の中で「日常ではないこと」を意識してみるということは、新たな物語を始めたり、スピンオフの物語が生まれる瞬間なのかもしれません。それはいつもとは違う「流れ」や「勢い」を、人生にもたらしてくれる気がします。

これがもし旅先であったなら、わたしはどの道を選ぶ?

そんな問いを持ちながら、日常を旅するように生きてみませんか?

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