【10/19(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「不確実性(Uncertainty)」

ストレングスファインダーの「内省」を飼いならす

この記事では私のTop1資質でもあるストレングスファインダーの資質、「内省」の特徴やその活かし方について、私自身の経験を元に書いています。

内省を上位に持っている人も、周りに上位に持っているメンバーがいる人にも、「内省はたくさん考える人」よりさらに深い理解に繋がると嬉しいです!

内省の傾向性①:360度から考える

戦略的思考力資質グループの資質は焦点を当てる場所に傾向があり、例えば原点思考は過去や背景、未来志向なら未来、分析思考は事実やデータに目を向けます。

内省の場合、これらの思考力資質グループの傾向をある意味すべて内包しているとも言われていて、「物事をありとあらゆる角度から考える」のがその特徴です。

と言いつつも、これまでに様々な内省を上位に持つ方々とお話をしてきて感じるのは、上位に他にどんな資質を持っているかによって、より焦点が向きやすい場所が違っているということ。「新しいアイディア」や「より良い選択肢」についてよく考えている人もいますし、「リスク」や「改善点」を考え続ける人もいますし、それぞれに個性があるなあという印象です。

イメージとしては、粘土の塊を捏ね続ける作業に似ています。最初から表現したいものが明確に決まっているというよりも、「色んな角度から捏ねている内に、形が少しずつ見えてくる」ような感覚かもしれません。

内省の傾向性②:頭の中で禅問答をしている

内省を上位に持っている人に話を聞くと、「頭の中に複数の自分がいる」という方が多いように思います。いつも二人の自分が会話しているという人もいますし、人によっては三人以上で話しているイメージがあるという人も。

どちらにせよ、自分の脳内で「本音ではどう思うか?」「そもそも私はどうしたいのか?」などなど、お寺の禅問答のような対話が繰り広げられている点は共通しているようです。本質的な問いをいくつも重ねていくことによって、結果として「深い洞察」へと繋がることも少なくありません。

思考に入ると非常に静かに見える内省ですが、外側の沈黙に反比例して、脳内の対話はむしろ賑やかだったりします。以前とあるコーチの方が、私の脳内にいる二人の自分を「ヨーダ」と「踊る三歳児」という形容をしてくださったことがあるのですが、おそらく誰でも複数のキャラクターがいるはずなので、自分なりの名前をつけてみるのもいいかもしれません。

内省の傾向性③:納得感が行動に繋がる

内省の特徴の一つとして「納得感」を大切にしていることが、上げられると思います。一つのことに対して考え続けるモチベーションは、世間的または一般的な正解を探しているからではなく、「自分なりに納得できる答え」を見つけようとしているから。

行動の前にまず考えると言われる内省ですが、深く納得できれば「行動を起こす」「行動を変える」「行動を止める」といったアクションにも驚くほど軽やかに繋がっていくこともあります。

また一般的な傾向として「言語化に時間が必要」なのも、この特徴に起因しています。自分の思考を表現するのに、納得感のある言葉を見つけようとしているからなんですね。求められればその場で言語化するとも出来なくはないのですが、イマイチ納得感が無いと「薄っぺらい答えになってしまった」→「本当は私は何を言いたかったんだろう?」とさらなる思考が始まったりもします。

ここからは、私が自分の内省を飼いならすために意識していることを、4つ紹介します。

内省を飼いならす①:アウトプットを意識する

頭の中にいくつも問いがある内省。しかもそのほとんどは「生きるとは何か?」「自由とは何か?」のような明確な答えの無い問いですから、無意識に使っているとすぐに「問いの交通渋滞」を起こしてしまいます。それこそウィンドウを10個も20個も開いたパソコンの画面のように、閉じることも出来ずエネルギーを消費し続けてしまうのですね。

内省の活動は頭の中で起こっていますから、まずはその思考活動を頭から外に出す=「アウトプット」を意識しましょう。ジャーナリングであったり、人と話すことであったり、言語化して外に出すことで頭の中にスペースを作ることが出来ます。

内省を飼いならす②:思考をリセットする習慣を持つ

24時間365日使い続けていると、どんなに丈夫な道具でも不具合が起きます。内省にとって思考をストップさせることはほぼ不可能に近いですが、少なくとも「思考をリセットする」ための自分なりの習慣を持ちましょう。

例えば私は週に1~2回のテニスが、思考のリセットボタンを押すことに役立っています。テニスは相手がいて、ボールにその場その場で反応し続ける必要があるスポーツなので、言葉を変えると「考えている場合ではない」状況が生まれるのですね。

運動がリセットボタンになるという方は多いですが、人によってはアートを見ること、物語を読むこと、ゲームをやることがそうだという人もいます。自分がつい没頭してしまうような、これまでの問いを一旦忘れてしまうような活動を探してみましょう。

内省を飼いならす③:問いの質を上げる

問いの質が答えの質を決める」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?頭の中で禅問答が起きている内省の活動の起点には、必ず「問い」の存在があります。この脳内の問いには人それぞれ癖があって、一人で考えていると中々視点が変わりにくく、時にはグルグルと同じところを周り続けてしまいます。

より生産的な思考をして内省を活用するためには、「問いの質」を上げることが欠かせません。日本語は些細なニュアンスが変わるだけでも、思考の焦点が大きく変わることがあります。自分の思考を前に進めるために、「どう自分に問えば、より質の高い思考が生まれるか」を知っていることが、内省を飼いならすことにも繋がっていくのですね。

どんな質問だとグルグルしがちなのか、どんな質問だとクリエイティブな思考になりやすいか、自分の傾向性をコーチと話してみるのも一つですし、コーチングを学ぶことで様々な問いに触れるのもいいかもしれません。自分の内省が喜ぶ問いを探求し続けましょう。

内省を飼いならす④:聴くスキルを上げる

ストレングスファインダーの才能を強みに開花させるプロセスでは、「他者との関りの中で才能を活かす」ことが欠かせないわけですが、内省の場合は相手の話を「聴くスキル」を上げることも一つの磨き方かもしれません。

深い洞察も、相手やチームにとってよりフィットする問いを見つけるのも、相手の話によく耳を傾けることから始まります。深海のように穏やかな脳の状態を保ち、この瞬間に全集中することが出来れば、必要な言葉は自ずと形を露わにするように思います。

「五感を使って聴く」「傾聴の3つのレベル」などなど、ひとえに「聴く」と言っても、様々な角度からの探求が可能ですから、自分なりのアプローチを考えてみましょう。

最後に:あなたの内省を活かすために

全ての資質に共通することですが、才能は放っておいても勝手に育ってはいきません。植物に光を当てたり、水や栄養を与えて育てるように、才能もまた自分自身で面倒を見てあげることが必要です。

内省は「ひとり時間」に苦が無い資質ではありますが、才能を強みに育てていく上では自分では見えない部分を見せてくれる「他者の存在」は欠かせません。職場にストレングスファインダーが導入されているなら、同僚や上司の力を借りるのも手ですし、一般向けのグループ講座を受けたりコーチをつけてみるのもいいでしょう。

是非自分なりのアプローチで、内省を育てることを楽しんでみてください!

▼内省を磨き続けてきたコーチと、あなたの内省を深める旅へ。

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