英語で学ぶストレングスファインダー「Gallup Theme Thursday シーズン1」/「内省」の魔法

毎週ストレングスファインダーの34資質のうち、ひとつをクローズアップする「Gallup Theme Thursday」。ツールの提供元であるGallup公式のYoutube動画で、現在シーズン6まで公開されており、英語に馴染みのある方、または英語を身につけていきたいと思っている方にとっては、ほんっとうに心からお勧めしたいコンテンツです。

2019年秋から、日本語版のGallup Theme Thursdayも始まっていますが、こちらは動画数22本。まだアップされていない資質もいくつかありますし、英語版が見れると10倍以上の情報量があるので、本気で才能開発したい人は是非チャレンジしていただきたいなと。

この記事では現在6つあるシーズンの中から、シーズン1の内容について詳しく解説しています。

記事中の日本語訳について

本記事の引用部分の日本語訳は、Coaching Labo LIBERTEが独自に翻訳したものであり、Gallup公式の日本語訳ではありません。英文の解釈は、訳し方によってニュアンスが変わってくる部分もありますので、正確な意味を知りたい方は、Gallupの公式サイトから動画をご覧ください。

シーズン1の概要と魅力

シーズン1のテーマは「Loving All 34 CliftonStrengths Themes(34すべての資質を愛せよ)」。大きく分けて、①資質の概要、②ゲストとのトーク、③Q&A、の三部構成になっています。

このシーズンの魅力はなんといっても、メインホストであるCurtとゲストとの対話から生まれる豊かな学びの時間。ゲストの人生や仕事にスポットライトを当てて、コーチングセッションのような形式で進んでいきます。ストレングスコーチとして活動されている方はもちろん、企業内でストレングスファインダーを部下の育成に取り入れたい方にとっても、役に立つ質問やアプローチが満載なんです。

また診断レポートを読んでもあまりピンと来なかったとか、いまいちイメージが湧きにくい、という場合、実際にその資質を上位に持っている方のエピソードを聞くと、自分自身と繋げやすくなります。ゲストは現在リーダーとして活躍されている方ばかりですから、どう活用すると上手く機能するかを知るためのヒントになることも。

シーズン1の内容①:資質の概要

Intellection: Learning to Love All 34 Talent Themes — Theme Thursday — S1

▲Gallup Theme Thursday シーズン1「内省」

  • この資質の傾向性
  • この資質を表わす名詞/形容詞
  • この資質と他の資質の比較
  • この資質のバルコニーとベースメント
  • この資質のダイナミクス(他の資質との組み合わせ)
  • この資質と一緒に現れやすい資質/現れにくい資質
  • この資質の未熟/成熟した状態

各エピソードによって多少違いはありますが、最初の10分前後を使ってCurtが話してくれるのが、各資質の概要について。彼はストレングスファインダー関連の様々なコンテンツ作りに関わったストレングスコーチで、とても魅力的な言葉のセンスを持っています。

例えば「内省」を表わす言葉で紹介されていたのがこちら。

◆内省を表わす名詞
・Thinker(考える人)
・Muser(思慮深い思想家)
・Philosopher(哲学者)
・Discusser(議論する人)
・Writer(ライター)

◆内省を表わす形容詞
・Intellectual(知的な)
・Introspective(内観的な)
・Solitary(ひとりの)
・In depth(深く)
・Reflective(熟考する)

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続いていくつかの資質との対比によって、その資質の特徴を分かりやすく説明しています。例えば、

・内省⇒深く
・学習欲⇒広く

などなど。

バルコニー(資質の強み使い)とベースメント(資質の弱み使い)」は、最近ストレングスファインダーに出会った人にとっては、少し馴染みのない言葉かもしれません。現在はHELP(助けになるもの)とHINDER(妨げになるもの)と呼び名が変わっていますが、内容としては同じかなと思います。
内省ならば、バルコニーは深く理解することで物事に明確さをもたらすこと。ベースメントは、考えにふけってしまって、部屋の中にいても周りの人との繫がりが途切れてしまっている状態。

資質のダイナミクス」は今もお馴染みの、資質×資質の組み合わせですね。「内省×学習欲」の場合、「好奇心が私をさらに深くへと進ませてくれる」など、色んな掛け合わせで生まれるニュアンスを紹介しています。

最後の「資質の未熟/成熟な状態」は、各エピソードに登場しますが、Curtならではの言葉のセンスを見られるのはシーズン1だけ。

未熟な内省
My need for introspection keeps me from interaction.(私は内省したいというニーズがあるので、交流はしない)

成熟した内省
My deep self-reflection is prelude to deep conversation.(私の深い自己省察は、深い会話の前段階である)

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短い時間の中にかなりギュギュっと情報が詰め込まれていますが(というかGallupはレポートでもなんでも情報が多い)、基本「自分に響くところだけ使ってね」というスタンスなのかなあと個人的には思っています。ストレングスファインダーの資質は、100個以上の才能をグループにしてそこに名前を付けているので、説明が全て当てはまらないのはいたって普通。

聞いていて自分の心に響いたところから自己探求を始めて、才能を「Make it my own(自分のものにする)」プロセスがこそが、強みの旅かなと。

シーズン1の内容②:ゲストとのトーク

概要の説明の後は、ゲストとのトークに入っていきます。シーズン1のゲストはGallupで活躍しているリーダーの方が多く、内省の回に登場されたのは、カスタマーサービスコンサルタントのSteve Crabtreeさん。この方、ユーモアがあって、めちゃめちゃ面白い方なんです。冒頭の自己紹介で「Curtの説明どおり、賢く見えるように頑張るよ、笑」って言ってみたり、「分析思考34位なんだけど、今分析の仕事してるんだ、笑」などなど、終始笑いが絶えない時間に。

Curtとゲストのやりとりは、どのエピソードもユニークな流れになっていますが、毎回ほぼ必ず聞いている質問があって、それは

「その資質が初めて現れた時のこと話してくれる?」
「その資質が強みになるきっかけになったことは?」
「その資質をどうやってコントロールしてる?」

の三つ。これ上位10の資質についてそれぞれ探求してみると、自分の人生をかなり立体的に捉えられるようになります。内省の回のエピソードをちょこっとご紹介:

Curt:
君が思い出せる一番小さい時のこと聞かせてほしいな。深く考えたい、というニーズが湧いてきたとき。5才とか10才とか、若い時はどんな風だったの?

Steve:
もっと小さい頃からだったと思うよ。いつもお風呂の中に本を持ち込んで読んでた。(中略)それから、学校で博物館に行った時、展示の横に書いてある表示とか些細な情報も全部読みたくて、友達にいつも「早く来いよ!なんでそんなに時間かかるんだ?」って言われてた。そうやって集めた情報について、じっくり考え続けるんだ。

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Curt:
君の内省はどんなふうに成熟してきたのかな?体験とか教育とか、君の内省という才能が強みに変わるのに役立ったことってある?

Steve:
そうだな。僕はこれまでの人生でけっこう長く学校にいたんだけど。小さい頃の読むペースは普通ぐらいだったと思う。でも大学院で毎週20ページとかの資料を読む必要があって、その時に鍛えられたかな。一番重要な情報とか、一番興味がある情報とか、それを掴んでいくプロセスの中で、スピードが上がっていったんだ。

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二つ目の内省を成熟させるエピソードは、いたく共感しますね。未熟な内省はけっこう「ただぐるぐる考える」状態になっていることも多く。Steveのように時間をかけて「本質を掴む」というトレーニングを続けると、内省の強みが開花していくように思います。私の場合、フランスで「あなたはどう思うの?」と問われ続けた3年間や、起業して自分でイベントをしたり色々チャレンジする中で、「わたしは何を一番伝えたいのか?」「本質を短い言葉にするなら?」と自分に問い続けてきたのが役立ったように思います。

バイオリンの才能があれば何の練習をしなくても奏者として成功するわけではありません。才能がある人も、たくさん練習をして、持っているものを磨いていく。ストレングスファインダーでいう才能も同じで、あくまでも強みの種があるだけなので、効果的な投資をして初めて、強みとして使えるのだと思います。

毎回その場で対話が作られていくのでとってもユニークなパートになっています。どのエピソードでも、その資質を持っている方や持っている人が近くにいる方にとって、理解を深めるのに役立つやりとりに溢れています。

シーズン1の内容③:視聴者とのQ&A

毎回Liveで配信されているGallup Theme Thursday、最後のパートは視聴者からの質問に答えるQ&Aのコーナーです。診断を受けたばかりの人や、才能を絶賛開発中の人からの質問は、インスパイアされるものばかり。ゲストとCurtが二人とも回答してくれるので、色んな視点が手に入るのも魅力のひとつ。

内省の回に出ていた面白い質問と回答を紹介しておきます。

Q:
内省で考えた後、行動に移るプロセスは?難しい?

A(Steve):

そうだね、僕は収集心もあるから難しいと言えば難しい。情報を処理することは延々と出来るから。だから自分で意識的に「このフェーズは終わり」と止めて、行動に移るようにしている。後は仕事で言うなら、誰かと一緒にやることかな。僕は目標志向や活発性が高い人と組むのが好きなんだけど、彼らは僕が地に足をつけるのを助けてくれるよ。僕は代わりに相手が思考やアイディアを整頓するのを手助けするんだ。

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Q:
資質の4つのグループの一つに、上位資質が集中するのはよくあるの?

A(Curt):

平均的(4つのグループにまんべんなく)でなければいけないと効果的でない、というのはよくある誤解の一つだね。全てにおいて長けていたら、誰にも頼る必要が無い。Steveの成功エピソードからは彼が意識的に他者のサポートを得ていることが分かる。僕らは皆、成功するために誰かが必要なんだ。パートナーシップが本当に大事なんだ。僕はその人がどのグループに資質を持っているかなんて、気にしていないよ。

Intellection: Learning to Love All 34 Talent Themes — Theme Thursday — S1

その回の資質についてだけでなく、特定のケースや、強みに開花させる方法についてなど、ストレングスファインダー全体に関する質問もよく飛び出すので、普段疑問に感じていることへの答えが見つかるかもしれません。

シーズン1のホスト

シーズン1のメインホストは、Gallupのシニアコンサルタントを務めているCurt Liesveldさん。それからシーズン6にいたるまでの全Gallup Theme Thursdayのホストを務めているJim Collisonさんの二人です。

CurtはGallupのスタッフから本当に尊敬されているストレングスコーチの一人で、とにかく豊かな情報と洞察、それに加えて、人の持つ才能への愛情が感じられるお方。ゲストに対する惜しみない承認や感謝など、コーチとしてのあり方にも学びたい要素がたくさんあります。

Jimはシーズン1ではサポート役に徹していて、Curtがゲストと対話している裏でチャットのメッセージに返したり質問をひろったりしながら、二人の話も同時に耳に入っているので、よく笑ったりしています。時々ご自身の資質や思い出したエピソードがある時は、会話に入ってくることがあるのですが、とっても明るくてエネルギッシュで素敵な方です。

シーズン1の動画の長さと字幕について

シーズン1の動画の長さは、平均40~50分ほど。やや長めなので、気になるところだけ聞いてみるのもありかもしれません。因みに動画冒頭のCurtの資質説明だけを集めた、Gallup Theme Thursday Shorts Season 1 というショートバージョンもあります。こちらは6~12分ぐらいの動画になっています。

また字幕については、Youtubeの画面上の設定から「英語字幕」をつけることが出来ます。けっこう早口の方が多いので、聞き取りづらければ英語字幕をつけて見るのがおすすめです。残念ながら、シーズン1は日本語字幕(翻訳)には対応していないようです。

またシーズン1の一部の動画は、英語字幕もつけられない仕様になっているものがあります(上記「内省」など)。ショートバージョンなら字幕をつけられるものもあるので、色々見てみてください。

シーズン1についての補足事項

シーズン1のメインホストであるCurtは、2015年5月14日の原点思考の回が最後の登場となり、それ以降のエピソードは複数のストレングスコーチが順番にホストを務めています。理由はCurtが急逝されたためです。たくさんの人に尊敬され、また愛されてきた方だったので、その次の回の動画ではCurtの冥福を祈るメッセージが冒頭にありました。

わたし個人的にも、本当に尊敬するところしかないストレングスコーチのおひとり。実際にお会いすることはもうできませんが、動画の中でお会いできるのは有難いことです。

さてGallup Theme Thursday シーズン1について、いかがだったでしょうか?「興味が出てきた」という方は是非、以下のリンク先から動画を見てみてくださいね。

Gallup Theme Thursday シーズン1「Loving All 34 CliftonStrengths Themes」

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