少し前にGoogle検索で「ストレングスファインダー」「〇〇(資質名)」と入れたら、その次に出てくるワードが「適職」でビックリした私です。
転職や就活などのタイミングでストレングスファインダー®に出会う人も多いので、皆さんとても気になるところなんだろうなあ。。。
ストレングスファインダー®と適職の関係性について、強みの哲学を元に紐解いてみます。
資質の二面性を捉える
「わたしのTOP5資質だと、何の仕事が向いていますか?」
という質問、時々いただくんですけど。
ズバリ、、、、「診断結果から適職は分かりません!!」
TOP5だけ見て営業に向いているとか、医療業界が向いているとか、判断することは出来ません。もしそういう情報がどこかに出ていたとしたら、強みの哲学をまだ学ばれていない方なのかな。
ストレングスファインダーは才能育成ツール。診断結果をベースに才能を育てて強みにしていく、というのが活用する上で大切なポイント。ただ、そのプロセスで自己理解をがっつりやるので、使い方次第では転職などの方向性が見つかる可能性はあると思います。
ストレングスファインダー®はそもそもコーチングをベースにしています。
コーチングは「正解を探す」ものではなく、「自分だけの答えを導き出す」もの。
診断結果って鍵なのです。自分の価値観を知るための。
どんなことを大切にしているのか、何でテンションがあがるのか、どんなやり方が得意で、どんなやり方が苦手なのか。
なので診断結果だけで自分の仕事を決めてしまうのは、ちょっと危ういかなと私は思います。
例えば「共感性」を例にとってみましょう。一般的な傾向としては「傾聴が得意」な方が多いです。じゃあカウンセラーに向いているのでは?と考える人がでてくるかもしれません。
でもちょっと待って!共感性は、人の感情にシンクロする傾向があります。テレビで悲しい事件を見て泣いちゃうような人達です。本当にカウンセラーに向いているでしょうか??むしろ他の人より、向いていないかも。。。
もちろん共感性上位でカウンセラーの方はいらっしゃると思います。もしその方がカウンセラーとして成果をだしているとしたら、おそらく共感性を上手くコントロールできているか、他の上位資質と組み合わせて相乗効果を出している、などが考えられます。
資質には二面性があります。
どんな仕事についても強みとして活かせる部分と、弱みになってしまうので対処する必要がある部分がある。それを踏まえた上で、仮に誰かが「あなたのTOP5に合う職業は、、、、、、探偵です!!!」と言われたら、探偵・・・目指しますか?
才能をどのように活かすか
よく成長促進を持っている方が先生に多いと言われますが、その仕事を選んだ時点で成長促進が上位にいたかどうかは分かりません。仕事についてから「育てる」ことにフォーカスして上位に上がることだってあります。
そして何よりも、優秀な先生の条件は成長促進を持っていること、ではないということ。
ストレングスファインダー®は元々、様々な業種で成功している人を分析した結果作られたツールです。彼らに共通していたのは「自分の強みを知っていて、それを日常や仕事で活かしている」ことでした。
適応性やアレンジを持っている人なら、生徒からでてくる発言をうまく組み込んで、ライブ感のある授業をするかもしれません。
収集や学習欲を持っている先生なら、好奇心で集めた情報の中から、生徒が学びに熱中するようなことを教えてくれるかもしれません。
共感性を持っている先生なら、まだまだ自分の気持ちを言語化するのが難しい生徒達に寄り添って、安心感を生み出したり勇気づけたりするでしょう。
ストレングスファインダー®は「What(何ができるか)」ではなく、「How(どうやってやるか)」を教えてくれるもの。もしあなたの夢が先生になることだとしたら、あなたなりどうやって上手くやるのかを知るヒントになるのです。
成果が出ないのでこの仕事は自分には向いてないのでは?と思う時、どちらかというと考えるべきは、今のやり方は自分に合っているのかということです。組織ではよく、上司は自分が上手くいったやり方を部下にも求めます。ですが、それは自分の得意なやり方ではなかった、ということがよくあるのです。
「人にはそれぞれユニークな才能がある」というのが、ストレングスファインダー®の考え方。万人に通用する成功法則は無いということを、統計が示しています。
診断結果で自己分析する
ですから何よりもまず、あなた自身が「What(何をやりたいのか)」を知る必要があります。
診断結果のTOP5や34資質を頼りに、徹底的に自分を振り返ってみることです。学生時代に成功したこと、好きだったこと。社会人になってからどんな環境で、どんなふうに働いてきたのか。
そうするとだんだん見えてきます。自分がワクワクするのに必要な条件。例えば私自身の経験を振り返る時、16年間の職人生活のなかで、一度だけ自分一人しかいないキッチンで働いたことがありました。これがまあ調子が悪かった(笑)。
一応プロとして成果はだせるのですが、チームで働いていたときに比べてやりがいを感じないのです。となると、私が仕事を探すとき「チームで働ける場所」というのが条件として加わります。
強みの種で可能性を拡げる
こんな風に自分が大切にしている要素のカケラを一つ一つ拾っていくのです。
自己分析にはとってもお勧めです。
一方で20~30代というのは、転職したりチーム内での役割が変わったりすると、それに伴って上位資質が変化すると言われています。結婚や出産などでも、もちろん変わることがあります。
昔のように最初に勤めた会社で一生働く、最初に決めた職種でずっと働く、なんてことは今は少なくなってきました。副業という形で、自分の夢を実現している人もいます。
なのであまり資質にこだわらず、自分に何が向いているかよりも、何をやってみたいかにフォーカスしてみるのが大切なんじゃないかな。個人的にはそう思います。
そうやって経験が増えていけば、次に仕事を選ぶときにも、選択しやすくなる。
人が「選択する」ときは、何かと比較しているので、過去に経験してきたことが多ければそれだけ、自分に合う選択ができるようになります。
ひとりでの自己分析が難しいときは、是非コーチやキャリアコンサルタントなど専門家の力を借りてください。(スピード感は圧倒的に早くなります。かかる費用は時間の短縮代だと思ってください)またワークショップやセミナーなどで誰かと一緒に自己理解を進めるのもいいと思います。
あなたがワクワクできる天職と巡り会えますように。