英語で学ぶストレングスファインダー「Gallup Theme Thursday シーズン4」とは?/「ポジティブ」とのパートナーシップ

毎週ストレングスファインダーの34資質のうち、ひとつをクローズアップする「Gallup Theme Thursday」。ツールの提供元であるGallup公式のYoutube動画で、現在シーズン6まで公開されており、英語に馴染みのある方、または英語を身につけていきたいと思っている方にとっては、ほんっとうに心からお勧めしたいコンテンツです。

この記事では現在6つあるシーズンの中から、シーズン4の内容について詳しく解説しています。事例を上げるために「Positivity(ポジティブ)」のエピソードを引用していますので、この資質についてよりよく理解したい方も是非読んでみてください。

シーズン4の概要と魅力

シーズン4のテーマは「Focusing on success with CliftonStrengths(クリフトンストレングスで成功にフォーカスする)」。シーズン3がリーダーとしての資質にフォーカスしていたのに対し、本シーズンではその資質を持っているメンバーや部下との働き方に焦点を当てていくような動画になっています。

特に「資質が必要としているもの(ニーズ)」「効果的な承認の方法」など、この資質を上位に持つ人のパフォーマンスを最大に発揮するために、どのような関わり方ができるかのヒントを得られるのが嬉しいところ。リーダーやマネージャーだけではなく、コーチや教師の方など、育成に関わる全ての人にとって価値のあるシーズンかもしれません。

シーズン4の内容①:資質の概要

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

▲Gallup Theme Thursday シーズン4「ポジティブ」

  • この資質の傾向性
  • この資質がもたらす価値
  • この資質が必要とするもの
  • この資質に何を期待できるか
  • この資質の効果的な承認の方法
  • この資質の開発をどのようにサポートできるか
  • この資質とパートナーになる最適な方法
  • 才能チャレンジ

まずはこれまでのシーズン同様「資質の一般的な傾向性(Overview)」から始まります。

~one note of the Positivity song or piece is the ability to be positive when other people aren’t but that’s the only one note~
(ポジティブ®の曲または作品があるとして、他の人がそうではない時にポジティブでいられる能力は、ポジティブ®の一つの音に過ぎないのです)

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

ポジティブは「明るい」「楽しい」のようなイメージが先行しやすいのですが、実際には色んなニュアンスやグラデーションを持ち合わせています。

例えば「上手く出来ること」「機能していること」など、コップに半分の水があるなら、空のほうではなく水があるほうを見る傾向が。同時に、その前向きな感情でもって周りの人にも働きかけていく、という側面は、かつては影響力資質に属していたこの資質の側面かもしれません。

続いて「資質がもたらす価値」:
このパートは別の言葉で言うと、才能が強みに使われた場合のベストバージョンの資質の説明です。しっかり育てていくとこうなれるかも、という一つの可能性としてイメージを描くのに役立ちますね。

~There is tremendous love and tremendous hope in Positivity. I would even call with high Positivity multipliers of hope.~
(ポジティブ®には、とてつもない愛と、とてつもない希望がある。私は、ポジティブ®が高い人達を、「希望を倍増させる人」と呼びたいぐらい)

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

ポジティブの例でいくと、チームが「今ここに無いもの」に焦点を向けている時、「確かに今状況は良くないかもしれない。でも少なくとも私達は一人じゃない」と伝えたり。「今ここにあるもの」を見ようとするマインド、周りへの感情的な働きかけによって、自分自身や周りの人々に、レジリエンス(回復力)をもたらすことが出来るのは、ポジティブが持つ大きな価値の一つですね。

ストレングスファインダーは元々ポジティブ心理学から生まれているので、「目の前の人の強みは何か?」「この人の素晴らしさは何か?」といった、ストレングスファインダーの哲学とも言える部分が、根っこにある資質なのかもしれません。

次に「この資質が必要とするもの」:
才能がその素晴らしさを発揮するために、必要な環境や条件についての説明です。

~spending time with the others, who are also comfortable with providing encouragement and noticing positive aspects of life in general~
(励ましの言葉をかけたり、生活全般のポジティブな面に気づいたりすることが、あなた同様に心地よい仲間たちとの時間を持つようにしましょう)

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

ポジティブの場合、共感性とは別の意味で「感情」に触れ続けている側面があるため、明るい人や前向きな人と一緒にいることがエネルギーチャージに繋がります。

この資質を表現する時、英語ではよく「Celebrate(祝う/褒め称える)」という言葉が使われます。相手を「褒める」ことが得意ですし、同時に彼らも「褒められる」のが好き、ということを、周りの方が知っておくといいかもしれません。

もう一つ動画の中で紹介されていた「リソースガイド」からの一節を:

このタイプの人は悪い状況が起こることがあるのも分かっていますが、良いことに目を向けようとしているだけなのです。悲観主義者は一見賢そうに見え、時に正しいこともありますが、物事を成し遂げる力にはなりません(そして、楽観主義者の方が楽しめます)。

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

ポジティブは、懐疑的であったり否定的であったり、負のエネルギーを持っている人に対して本人が思う以上に影響を受けます。ネガティブな人を元気づけることよりも、元々ポジティブで単にその状態に戻るきっかけが必要な人をサポートする方がよっぽど得意なんですね。

続いて「この資質に何を期待できるか」:特に職場において、この資質が上位にある人と働くときに、どんなことを期待できるか

この資質の効果的な承認の方法」:この資質を上位に持った人を効果的に承認するためのアイディア

ポジティブについての事例はこちら:

彼らが何者で、何をやったか、だけではなくて、この資質が影響力資質であることを忘れないようにしたい。彼らが生み出したエネルギーや、それが他の人達の中に何を生み出したのかを探して承認することね~「これまでに手にした最高の承認は?」「どんなふうに評価されたい?」という質問自体も、大きな承認になるでしょう。

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(注:ポジティブのカテゴリーは以前は影響力資質でした)

「承認」はチームビルディングにおいて重要な要素の一つですが、人それぞれ「承認された」と感じるスタイルというのが違っているんですね。1on1のセッションで伝えてほしい人もいれば、大勢の前で発表してほしい人もいるし。成し遂げたこと、数、など「モノ/コト」にフォーカスされた方が嬉しい人もいれば、どのように貢献していたか、自分のどんな部分が役立ったのか「ヒト」に重点を置いてもらった方が嬉しい人もいます。

続いて「この資質の開発をどのようにサポート出来るか」。

I think about helping them explore different dosages of positivity. (彼らが異なるレベルのポジティブの探求をするのを助けることを考えてみるの)

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

ポジティブの傾向性の一つとして、無意識のうちに常に「自分と同じテンション、明るさ」になるように、周りに働きかける側面があるかもしれません。ランプのつまみを回して明るさの調整を細かくするように、承認するにせよ、お祝いするにせよ、相手に合わせて「いくつかのグラデーションの明るさ」を生み出せるように、サポートできるとさらに大人使いが出来るのかなと。

この資質とパートナーになる最適な方法」。仕事でこの資質が上位にある人とパートナーになる時、どのようなサポートがあるといいかについてのアイディアを紹介しています。ポジティブの事例は以下の二つ:

①ポジティブが開くパーティ―に現れること
②改善点や問題などネガティブな要素に光を当てること

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

①は英語では「パーティー」という表現になっていましたが、これはあくまでも例え。日本語で言うなら飲み会等イベントを開く場合にそこに参加するのも一つですが、朝会った時に笑顔を交わす、冗談に乗る、などポジティブが投げてくれたボールを受け取って返すイメージかなと思います。

②については、ポジティブはその傾向性ゆえに、現状を難なく受け入れてしまう時があり、改善すべきことや取り組むべき問題に目がいかない時は、敢えてそこにフォーカスするサポートが必要です、と。

最後に「才能チャレンジ」。ホストのMaikaから、この資質が上位にある人に向けて、挑戦のワークを紹介するコーナーになっています。

①新しいジョークを学んで今週3回言う
②この3か月で最も誇らしいことは何か?/そこへ辿り着くために、過去に置いてきた疑いや批判は何か?
③あなたが一日で何人を笑顔にしたか数えて、週の終わりまでに2倍にする

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

個人的に一部、日本にフィットするのか?疑問なところもありますが、才能をストレッチさせるという観点からは面白いチャレンジですね。

動画で紹介している資質が下位にある人に向けてのチャレンジの紹介もあります:

①あなたにエネルギーをもたらしてくれる資質は何ですか?/それが起こるのはいつですか?
②サポートや応援を提供するためのシステムを作ってみる

Understanding and Investing in Your Positivity Talent — Theme Thursday — S4

②について動画の中では「サンキューカードを贈る」「新しいアイスブレイクをチームでやってみる」などのアイディアが紹介されていました。

誰にでも下位資質はありますから、ポジティブが下位にあることそのものは全く悪いことではありませんし、何の問題もありません。とはいえ「応援やサポート」はチームビルディングでは欠かせないもの。

ストレングスファインダーの強みの哲学の考え方では、苦手なことは①システムを作る②得意な人の力を借りる③自分の上位資質でクリエイティブにやる、という3つのアプローチを推奨しています。

「才能チャレンジ」のワークはそういう意味で、自分があまり得意ではないことを、どのように対処できるかのヒントを得るきっかけになるかなと思います。

シーズン4のホスト

シーズン4のホストは、シーズン3に引き続きJim Collisonさんと、Maika Leibbrandtさんのお二人。Jimは自分の上位資質を扱う回には、時々ご自身のエピソードを紹介してくれるのですが、今回も「ポジティブ好きだー!!!」という情熱が画面からバシバシ伝わってきます。

才能を育てる、活用する、そのプロセスの中で、自分が持っているものを好きになることは必須ですから、彼のように語れるようになると、ホントに素敵だなあと思います。

シーズン4の動画の長さと字幕について

シーズン4の動画の長さは、平均30~40分ほど。

前シーズン同様、Youtubeの設定から「英語字幕」「文字起こし」を選べるほか、自動翻訳を使って「日本語」をリアルタイムで字幕に表示させることが可能です。やや精度にかけるところもありますが、大枠の意味を捉えるのには役立つかなと思います。

リソースガイドについて

Clifton Strengths Resource Guide(クリフトンストレングス・リソースガイド)」は34資質について、資質ごとに詳しい概要やコーチングをする際のポイントが書かれたGallupの本です。2022年9月現在、オンラインショップで20USドルで販売されていますが、残念ながら日本語版は単体での販売はありません。デジタルバージョンの購入も可能なので、英語OKな方はチェックしてみてくださいね。

さてGallup Theme Thursday シーズン4について、いかがだったでしょうか?「ちょっと覗いてみようかな」という方は是非、以下のリンク先から動画を見てみてくださいね。

Gallup Theme Thursday シーズン4「Focusing on Success With CliftonStrengths」

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