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ストレングスコーチからコーチングを受けることで得られる5つのこと

自分の才能を育ててより充実した人生を歩みたいなら、ストレングスファインダーの診断を受けた後が肝心です。個人で理解を深めていくことも可能ですが、何しろ自分では自然(当たり前)すぎて見えにくい要素が多いのも事実。

成長のプロセスをより早く高いレベルで進めるためには「ストレングスコーチとのコーチングが効果的らしい」なんて話を小耳に挟んだものの、

「実際に何が手に入るの?」
「通常のコーチングと何が違うの?」

といった疑問を抱いている方もいるかもしれません。

この記事では、ストレングスファインダーを専門的に扱うストレングスコーチからのコーチングを受ける場合、どんなものを手に入れられる可能性が高いかについてまとめました。

ストレングスコーチとは?

「ストレングスコーチ」とは、ストレングスファインダー(英語名:CliftonStrengths)を提供しているアメリカのGallup社が発行している資格です。このツールを使ったコーチングやチームビルディングに関する専門のトレーニングを受け認定試験をパスした、シンプルに言えば「才能開発の専門家」。

コーチングにストレングスファインダーを使うこと自体は、ストレングスコーチの資格が無くても可能です。違いがあるとすれば、ストレングスコーチのほうがより本質的、かつアップデートされたツールの活用法を知っている可能性が高いということでしょうか。

これはApple Storeの店員さんがiPhoneに精通しているのと似ています。例えば診断を受けたばかりの方がまず押さえるべき必須ポイントであったり、ある程度扱いに慣れてきた方がより可能性を発揮するためのアプローチであったり、ストレングスコーチは才能開発をする上で大切な「強みの哲学」をよく理解しています。

またGallupにはストレングスコーチ向けのコミュニティがあって、ウェルビーイングや心理的安全性など時代のニーズに合わせていくための記事や動画リソースが豊富にあり、クライアントや組織へのアプローチもそれに合わせてアップデートされています。

例えば、数年前は「ストレングス・フィードバック」と呼ばれるアドバイスを含むセッションが主流でしたが、現在はコーチからの質問を通して自己理解や自己変容へと繋げていく「ストレングスコーチング」がメインになってきています。

日本では書籍「さあ、才能に目覚めよう」の累計発行部数が100万部を突破するなど、「強みにフォーカスする」ことへの注目が高まっていることもあり、Gallup以外でも様々な記事や動画が見つかります。多くの方が自分の強みに気づくきっかけになることは喜ばしいことなのですが、中には「強みの哲学」から大きくかけ離れている情報も混在しているのが現状です。

例えば「共感性の資質に向く仕事はカウンセラー」「親密性はリーダーには向かない」など、一体どこからその情報出てきたの?と思わず首をかしげてしまうようなものも。強みの本質を知っていれば、「ストレングスファインダーは適職診断には使えない」「どの資質を使ってもリーダーシップを発揮できる」ことは明確です。不確かな情報に惑わされることなく早く本題に入れるのが、ストレングスコーチからセッションを受ける最大のメリットかもしれません。

ここからは私自身がセッションを受ける&クライアントさんにセッションを提供する、の双方の視点から見て感じた、ストレングスコーチからコーチングを受けることで得られるものを具体的に5つ挙げていきます。

メリット①:自分の強みを様々な角度から探求できる

セッションでクライアントの「強み」を発見していくことは通常のコーチングでも行われますが、ストレングスファインダーを使うメリットは、「色んな角度から自分の強みを発見しやすくなる」こと。

例えば私のTop5は上位から「内省/最上志向/着想/ポジティブ/戦略性」。それぞれの資質の傾向性から自分自身を紐解いていくと、「洞察の深さ」「物事をとことん追求する」「全く異なる二つのものに共通するテーマを見出す」「レジリエンスの高さ」「俯瞰力」という強みが見えてきます。

一つの資質につき一つの強み、という訳ではなく上位の様々な組み合わせによって、その人だけのユニークな才能があるため、「深いところにある思いに気づく」(内省×共感性)、「本質的な洞察を分かりやすく表現する」(内省×コミュニケーション)、「二つの物事の本質的なテーマが見える」(内省×着想)など、一位の内省だけでも複数のわたしの強みに関連しています。

また実際に普段の生活で使っている資質は上位10~12位ですから、これ以外にも5個以上、計10以上の異なる扉から「自分の強み」を探求することが可能です。

メリット②:自分の強みの種を見つけられる

強みを探求できます、と言ったものの、実際にストレングスファインダーを受けてすぐの方の話を聞いていると、「どちらかというと弱みに思える」という人も少なくありません。

ストレングスファインダーの資質には二面性があって、同じ傾向性でも自分が生産的に使えば強みになり、非生産的な使い方だと弱みになってしまいます。特に才能がまだ未熟な状態では、無意識に弱み使いになっていることもしばしば。

例えば私の場合、内省の「頭の中に常に問いがある」という傾向性が、「必要以上に考えすぎてしまう」という弱みに繋がっていました。複数のセッションを通して、どのようにアレンジすればより効果的にこの才能を使えるのか探求する中で、「問の質を上げる」「問いを他者に向けることで相手の内省を促す」など自分なりの強み使いに辿りついたのです。

自分の「強みの種」、つまりは「今はあまり効果的に使えていないが、育てることで強みになるであろう種」を見つけられるのは、通常のコーチングではあまり扱わない、ストレングスコーチとのセッションの特徴の一つですね。

私たちは弱みというと、「克服したい」とか「無くしたい」と思うことが多いのではないでしょうか。

ストレングスファインダーでは才能は星のカタチに例えられ、尖っているところが強み、凹んでいるところが弱みと言ったりします。二つで一つなので、切り離せない、手放せないものなのです。ですから弱みは「克服する」=完全に無くしてしまうのではなく、「対処する」=コントロールできるようにする、というアプローチを取ります。

弱みもまた自分という存在を形作る一部、と捉えることで、良い意味で諦めがつきやすくなります。「私には”深く考える”とクセがある。ならばそのクセを自分や周りにとって価値のあるものに変えるだけ」というふうに、「ありのままの自分」を受け止めやすくなるのもまた、ストレングスコーチとのコーチングの付加価値のひとつでしょう。

メリット③:自分の無意識のパターンを特定しやすい

コーチングの目的の一つは「自己変容」。蝶がさなぎから成虫に変わるように、自分という存在自体は変わらずに、その表現の仕方が変わっていくことを意味します。そのプロセスの中で鍵になるのが、これまでのパターンを壊していくこと。

人が持っているパターンというのは、ある種の生存戦略でもあるので、さなぎがさなぎであることに何の疑問も抱かないように、自分自身では無意識レベルすぎて中々気づきにくいものです。そしてそういったパターンは、私たちが大きな変化を起こそうとする時には、私たちを守るために一生懸命ブレーキをかけるわけですね。

例えば体温がずっと同じ温度に保たれるように、早起きしようとしてもいつもの時間になってしまう、英語の勉強をしようとしても出来ないなど、新しい習慣を中々継続できないのはこれが理由です。

変化を阻んでいるパターンを壊すためには、そもそも自分のパターンをしっかりと認識する必要があるのですが、ストレングスファインダーは「無意識の思考・感情・行動のパターン」を表わすもの。ですから、新しい習慣を作るチャレンジとはとっても相性がいいわけです。

例えば職人時代の私は「プロフェッショナルさを追求する」のが常でした。プレイヤー時代はそれでも良かったのですが、リーダーになった時に、まあ部下がついてこれない……。その時にどんなパターンが起きていたかというと、「職人とは常に高い質を追求し続けるものである(思考)→鍛錬を怠るなんてけしからん!(感情)→出来る部下にしか仕事を任せない(行動)」。う~ん、自分でも今書いてて誇れる上司じゃないなあ(笑)。

当時は心の底から「それが当たり前」だと信じて疑わなかったんですけど、そのパターンに最上志向という名前がつき、その割合が多くてもTop5に30%ほどと知った時には、かつての部下に心の中で謝りましたよね。因みに最上志向が未熟な状態のままだと部下を潰す可能性は大いにありますから、リーダーの方達は注意してください、いやほんとに。

これまで生きてきた何十年という人生でパターン化されたものなので、セッションで認識出来たらすぐ壊せるようなシンプルなものではありません。ただ、自分のパターンを客観的に観察する習慣が身につくと、同じパターンが繰り返されたときに「あ、またやってる」と自覚しやすくなり、コントロールしやすくなっていきます。

もちろん通常のコーチングでも思考や行動のパターンそのものは扱いますが、資質という扉があることによって、「仮説を立てやすくなる」のが、ストレングスコーチとのセッションの価値だろうと思います。

メリット④:自分の世界の見方のクセが分かりやすい

「人は見たいにように世界を見ている」なんて話、聞いたことがあるでしょうか?私たちは自分が見たいもの、聞きたいもの、を無意識に選んで取り込む性質があり、実際に見ているのはほんの36°ほどの世界だそう。

自分がいつもスポットライトを当てている世界、つまり「焦点」を分かりやすくしてくれるのがストレングスファインダーの資質です。ひとりの人が見ている世界は唯一無二のもので、同じ資質でも組み合わせなどで個人差がありますし、セッションの中で時間をかけて、ストレングスコーチと一緒に探求していくことになります。

自分の焦点の傾向性を知っておくことは、人間関係においてとても重要です。同じ世界に生きながらも、見えている世界が全く違うのだと知ることが、他者理解へと繋がっていくからです。

例えば私の資質6位は個別化。「個性」や「ユニークさ」に常に光を当て、相手の好みや個性を記憶することはもはやOS。ですから、一緒にご飯を食べるとなったら、相手が好みそうなお店を自動でチョイスします。かたや私の父は公平性が上位にあって、個別化ははるか下位。子どもの頃から、私の好き嫌いを全く覚えていないし、学生とまったく同じ扱いを受ける(父は大学の教授を長年していたのです)。

子供の頃も大人になってからも、「なんで相手に合わせて変えないのかしら?」と不思議で仕方が無かったのですが、ストレングスファインダーを受けてその内容をセッションで深めていった時に、パーっと視界が開けていくようでした。だって、自分が「とても狭い世界から物事を見ていた」ということに気づけたのですから。

Gallupの統計では一番多い資質でもTop5への出現率は32%ほどと言われています。ストレングスコーチとのセッションを継続していくと、上位資質がなんであれ自分のモノの見方は「唯一無二である」と捉えられるようになり、人間関係も何かとスムーズになっていく傾向があるように感じています。

メリット⑤:自分の盲点に気づきやすい

光を何かに当てれば、当然そこには影が生まれます。ストレングスコーチとのセッションで探求しやすいもう一つのことは、自分の「盲点(Blind Spot)」。

盲点とは、才能を使いすぎたり適切ではない使い方をしたときに現れる、才能の影の部分。Gallupでは「ダークサイド」と呼ばれることもあります。盲点の特徴は、周りの人からはその悪影響がよく見えているにも関わらず、本人は全く気付いていないことが多いこと。

マネージャーやリーダーの方は特に、この「自分の傾向性が他者からどのように見える可能性があるか」を知っていることが、チームとの関係性を気付いていく上で大きなポイントとなります。

例えば戦略性は、スタート地点とゴールから複数のオプションを考える傾向性があります。前に進む上で重要ではないと判断した枝葉の部分は切り捨て、ベストルートを想定し意思決定を行います。

この思考のプロセスがあまりにもスピーディ―なため、周りの人からするとついて行くのも、理解するのも難しいことが多いんですね。ですから「頭が良いのは分かるけど、一緒にやりにくい」とか「すごく批判的な人」のような見られ方をしてしまうことがあるのです。

戦略性の場合は、頭の中の思考のプロセスを部下にも共有することが、同じ景色を見る上では欠かせません。「ちょっと考えれば分かるでしょ」は戦略性の口癖あるあるなのですが、おそらくそれが通用するのは同じ戦略性持ちの人ぐらいです。

チーム内におけるストレングスファインダーの考え方は、「その使い方は自分とチームのパフォーマンスに繋がっているのか?」が基本ですから、ダークサイドはうまくコントロールできるようになっていきたいですね。

盲点はマネージャーやリーダーに限らず、コーチとクライアントであったり、パートナーや友人など、人間関係をより良くするためには知っておいて損は無いと思います。自分では本当に中々気づけない部分ですから、ストレングスコーチのセッションをうまく活用できると、より効果的な才能の使い方が出来るようになっていくでしょう。

ストレングスファインダーを使用するコーチングを受ける時の注意点

資質に強みと弱みの二面性があるように、ツールを取り入れることで生まれる以下のようなリスクもあります。ストレングスコーチとのセッションを受ける場合には、以下の点に注意しましょう。

資質で自分を決めつけない
ストレングスファインダーは性格診断やタイプ分けツールではありません。ですから「私は慎重さがあるから行動を起こせない」「私は目標志向が無いから目標を決められない」のように、特定の資質が有る/無いことを何かが出来ない理由にしてしまうと、あまり効果的なセッションにならないでしょう。
ストレングスファインダーをうまく活用するコツは「クリエイティブにツールを使うこと」です。コーチのサポートも得ながら、常に「自分の上位資質でどのように上手くやれるか?」という視点を持つようにしましょう。

◆資質で相手を決めつけない

「あの人はこの資質があるから○○なのだ」のように、資質のレッテルを貼ってしまうのもとても残念な使い方。同じ資質でもその表現の仕方は人それぞれ違っています。ストレングスファインダーは対話を省略して相手を決めつけるツールではありませんから、むしろ資質を扉にして相手に好奇心を持ったり、対話を始めるキッカケにしたいですね。

魔法のような解決策を求めない
ストレングスファインダーというよりも、コーチングにおける基本のマインドセットになりますが、「コーチがなんとかしてくれるだろう」「コーチが良い道を教えてくれるだろう」のように、クライアント側に主体性が欠けている場合も効果的なセッションは難しくなります。
キーワードは「一緒に探求する」。受け身にならず、好奇心を持って、自ら宝物を発見しに行くつもりでセッションに臨みましょう。


ストレングスコーチの選び方

「一度ストレングスコーチからコーチングを受けてみよう!」と思い立ったものの、どのコーチにお願いするか迷う方もいるかもしれません。日本のストレングスコーチの数は私がトレーニングを受けた2018年時点で200名ほど、その後Gallupがかなりアップテンポでトレーニングを開催していましたので、正確には数は分かりませんが2023年現在は数百名はいるかと思います。

提供しているサービスも価格帯もは様々なので、これからコーチをつけようと考えている方が押さえておきたいポイントを二つ紹介します。

コーチの背景とスタイル

まず一つ目は、その方がどんなバックグラウンドを持っているのか。元々コンサルタントをやっていた人なのか、プロコーチの人なのか、何を軸足にしているかでアプローチがかなり変わってきます。強みとしている分野はSNSやウェブサイトのプロフィールなどで確認できると思うので、しっかりチェックして自分のニーズに合うコーチを選びましょう。

それからセッションのスタイルについて。サービス提供側が一定の手順を決めてプログラムとしてパッケージ化している場合もありますし、完全にフリーでクライアントが話したいことを話す、という通常のコーチングと同じスタイルもあります。前者はどちらかというと自分で決めるのが苦手で誰かにガイドしてほしい人向け、後者は主体性を求められるので自分で選ぶ&決めるといった要素も含めて成長したい方向けかなと。

コーチとの相性

コーチとの相性は、資質の相性というよりもどちらかというと人としての相性を見ていただくのが確実です。そのために、少なくとも3人以上のコーチから、体験セッションや単発セッションを受けてみることを私はお勧めしています。

クライアントさんのコーチの選び方を見ていると、「Amazonスタイル」とでも言うのか、ネット上のサービス内容などを見比べて、そこでそのまま購入=本契約までいってしまう人が多い印象があります。もちろんそれで「自分にとってのベストコーチ」に出会えるならいいのですが、私はコーチは洋服と同じで「合わせてみないと分からない」部分が大いにあると思っています。

何人かのコーチとお話しすれば、自分が好むスタイルやセッションに求めることも明確になっていくので、ここは妥協せず時間をかけてほしいなーと思っているのです。

因みに、もし特定の資質を上手く扱えていないという自覚があって、その育成に注力したい場合は、上位に同じ資質を持っているコーチを選ぶのも一つのやり方です。ストレングスコーチは全34資質を扱えますし、下位資質についても成功事例や細かな情報は持っていますが、やはり「知っている」のと「体験している」のでは少し差が出ます。

例えば私は慎重さが33位。「リスクを見る」らしいというのは頭では分かりますが、感覚ではさっぱり分からない。。。なので慎重さでブレーキをかけまくって行動を起こせない!なんて場合には、私よりも慎重さをTop5に持ったコーチのほうが、より効果的なセッションになるかもしれません。

あなたのポテンシャルを最大限に発揮するために

自分が分かっている自分、見えている自分はほんのわずか。自分の才能を見つけ、成長させていく「強みの旅」は一生続いていきます。

コーチングはそれ自体でも、自己基盤を整えたり、行動の質とスピードが上がったり、人生にとって大きな価値がありますが、その中でも

  • 自分の自然な才能を育てていきたい
  • 自分の扱いがもっと上手くなりたい
  • 自分なりのマネジメントのスタイルを探求したい
  • 部下の強みを引き出せるような関わり方をしたい
  • いつもハマってしまうパターンを壊したい
  • 苦手な人との関係を向上させたい

などにピンとくる方には、ストレングスコーチとのセッションは本当にお勧めです。

奏者が変わればバイオリンの音色が変わるように、ストレングスファインダーというツールもまた、使用するコーチによって扱い方が変わります。是非自分好みのストレングスコーチを見つけて、強みの旅のはじまりをより楽しく、より勇敢に、クリエイティブに進めてみてください!

▼チームのリーダーとして自分の強みを育てていきたい方へ。

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