>>>「自分を旅する3か月プログラム」は現在2022年1月スタート枠を募集中

コーチなら知っておきたい「共感(Empathy)」と「同感(Sympathy)」「思いやり(Compassion)」の違い

ICF(国際コーチング連盟)がコーチに必要な要素をまとめたコア・コンピテンシーの中には、「クライアントに共感を示す(shows empathy for client)」という言葉が出てきます。相手と対等なパートナー関係を結ぶコーチングにおいて、大切なポイントであると同時に、「同感(Sympathy)」や「思いやり(Compassion)」など似たような言葉もあるので、その違いをまとめました。

*各英単語の意味や日本語訳については色んな解釈がありますが、この記事ではあくまでもコーチングの中における違いについて、わたしの視点を書いています。

共感(Empathy)とは?

Empathy is the ability to share another person’s feelings and emotions as if they were your own.

誰かの思いや感情を、まるで自分のもののように共有すること。

Collins dictionary

共感(Empathy)の語源は、en(中に)+pathos(感情)というギリシャ語から来ています。物語や映画の主人公と一緒になって、泣いたり笑ったりするとか、悲しいニュースを見て胸を掴まれるような思いになる、という人は、どちらかというと共感力が高いのかもしれません。

共感の特徴的なところは、相手がその環境で感じている思いや感情を、まるで「自分が経験している」かのように感じることです。友人が長年飼っていた愛犬を亡くして悲しんでいるとしたら、自分が人生で一度もペットを飼ったことが無かったとしても、同じようにその悲しみを感じます。

コーチングにおいてなぜ「共感」が大切かというと、それはクライアントが自由に自分を表現できる「安心の場」を生み出すから。「あなたがどんな風に感じてるか分かるよ。きっと辛いでしょう」と、感情を共有すること。仮にそれがコーチの価値感や感じ方と違っていたとしても、クライアントがそのように感じているということを受け止める。「相手に完全に同意しているかどうか」は、ここでは問題ではないのです。

自分が話していることを評価されたり否定されることが決して無い、という空間があると、クライアントは本来の創造力やポテンシャルを発揮したり、自分自身にしっかりと向き合うことが出来ます。

もちろん「一緒に感じる」と言っても、コーチはセッションを効果的に進めるために「自分の感情をコントロール」することも大切なので、一緒になって泣いたり怒ったりするわけではありません。透明な器の中にカラフルなビー玉を入れていくように、クライアントの感情をただただ受け止めます。

同感(Sympathy)とは?

Sympathy is the feeling that you care about and are sorry about someone else’s trouble, grief, misfortune, etc. 

誰かを気にかけ、その人のトラブルや悲しみ、不幸を可哀そうに思う気持ち。

Merriam webster dictionary

同感(Sympathy)は、ギリシャ語のsym(一緒に)+pathos(感情)が語源です。一見、共感と似ているように見えますが、大きく異なるのは「視点」。共感があくまでも「相手の視点」に立って物事を見るのに対し、同感は「自分の視点」から物事を見ます。

飼い犬の例で言うなら、同感の場合は、自分が昔飼っていた犬が亡くなったときのことを思い出し、「分かるよ。わたしも同じだったから」となります。共感で感じているのが「相手の感情」であるのに対し、同感で感じているのは「自分の感情」です。

コーチングのセッションにおいてコーチが同感しやすい状況といえば、クライアントがテーマとして持ってきた課題と似たような体験を、コーチ自身が経験しているときかもしれません。その場合、自分とクライアントが異なる価値観や傾向性を持っているにも関わらず、「きっと○○に違いない」「こうしたほうがいい」といった自分の視点をセッションに持ち込んでしまい、クライアントが本当に望んでいることを見つけるのが難しくなってしまいます。

同感そのものは決して悪いことではありませんが、セッションの時はスポットライトは常にクライアントに当たっていることが大切です。同感している自分に気づいたら、自分の感情は脇において、「今ここ」に戻ってくるトレーニングも必要ですね。

思いやり(Compassion)とは?

The meaning of compassion is to recognize the suffering of others and then take action to help. Compassion embodies a tangible expression of love for those who are suffering.

他者の苦しみに気づき、助けるために行動を起こすこと。苦しんでいる人々への愛を、具体的に(目に見える形で)表現すること。

Compassion international

「コンパッション(Compassion)」は日本語ではよく、「思いやり」「慈悲」などと訳されます。共感や同感が「感じる」という内的なものであるのに対し、「思いやり」は外的な行動を伴います。必ずしも自分自身の経験とは関係がないため、

「共感+行動=思いやり」

と表現してもいいかもしれません。感じるだけ、話を聞くだけ、ではなく、なんらかの「行動」へと繋がっていきます。

コーチングセッションの場合、この「行動」の部分には少し注意がいるのかなと思っていて、コーチは「自分はどんなサポートができるのか?」と考えを巡らせつつも、やりすぎないことも大切です。例えばセッション外の時間で何度も話を聞くなど、コーチの役割を越えてしまうと、クライアントの主体性が失われかねません。

自分自身が頑張るのではなく、そのような状況でクライアントが活用できるリソースにはどんなものがあるのか、その壁をクライアント自らどのように乗り越えていけるのか、一緒に探求することこそが、コーチにしかできないサポートだと思います。

また課題解決やセッションの成果にフォーカスしてしまうと、クライアントへの共感をスキップして「どうしたら解決できるのか?」という「行動」に急ぐ対話になりやすいかもしれません。カウンセリングやセラピーほどには感情に焦点を当てないにしても、人間は本来感情の生き物ですから、しっかりと扱うことで得られるものも計り知れません。コーチとクライアントの強い信頼関係を築いていくためにも、「共感」は大切にしていきたいものです。

さて、共感と同感、思いやりの違い、どんな気づきがあったでしょうか。
コーチとクライアントの「パートナーシップ」において、共感は欠かせない要素の一つです。日々の生活から意識して、共感力を高めていきたいですね。

ストレングスファインダーの共感性ストレングスファインダー「共感性」の世界 コーチングの秘訣は「アハ体験」+「行動」
Coaching Labo LIBERTE 自分を旅する3か月プログラム