【12/21(土)】Re:Book~ひとつの物語から始まる対話の空間~「奉仕(Service)」

「”やりたいこと”がありすぎる人」が優先順位をつけるには?

「やりたいことがありすぎる」という悩み

「やりたいことが見つからなくて悩んでいる」という話は、近年対人支援の現場で本当によく聞くワードですが、世の中には「やりたいことがたくさんありすぎて困っている」という真逆?のような悩みも存在しています。かくいう私もそのひとり。

「やりたいことがありすぎる」悩みといえば、それはもう「圧倒的に時間が足りない」こと。様々なことに興味や関心があったり、探求心&冒険心に富んでいたりするので、「やるべきこと」ではなく「やりたいこと」がどんどん増えていってしまうんですよね。

その結果、体力がある人だと「休日返上でやりたいことに没頭→体調を崩す」のサイクルを繰り返したり、わたしのようにあまり体力が無いタイプだと「そこそこにセーブする→やりたいことが中々進まない!」という感覚を覚えたりします。なんとも悩ましい。

そうすると、「やるべきことが多すぎる時」と同様に、「ちょっと一回立ち止まって、優先順位をつける」ことでもしてみようか、なんて思ったりします。

よくある「優先順位のつけ方」の落とし穴

「優先順位のつけ方」について話をするとき、よく使われるこんな物語があります:

あるところに、多くの弟子を持つ賢い禅師がいました。
ある日一人の弟子がやってきて、こう尋ねました。
「師匠、どうしたら時間の優先順位をつけ、本当に大切なことに集中できるようになりますか?」

禅師はしばらく考えてから、「見せてあげよう」と言いました。彼はガラス瓶を取り出し、弟子の前のテーブルの上に置きました。そして、大きな石を山ほど手に取り、瓶の中に満杯になるまで入れ始めました。

「瓶はいっぱいかね?」と禅師は問いかけました。
「はい、師匠」と弟子は答えました。
禅師は次に、小さな石を袋から取り出して壷に入れました。小さな石は、大きな石の間を埋め、瓶の上にまで達しました。

「今、瓶はいっぱいか?」と尋ねました。

弟子は答える前にためらいましたが、
「はい、師匠」と答えました。

そして、禅師は砂を一袋取り出し、瓶の中に入れました。砂は、大きな岩と小さな石の間の小さな隙間を埋め、瓶を埋め尽くしました。

「さて、瓶はいっぱいかな?」
と再び尋ねました。

教えを理解した弟子は、こう答えました。
「いいえ、師匠。まだ余裕があります」

禅師は微笑みながらこう言いました。
「その通りだ。大きな石は、家族、健康、情熱など、お前の人生で最も重要なものを表している。小さな石は、仕事や責任など、小さいけれども大切なものを表している。そして砂は、お前の時間を埋め尽くし、本当に大切なものからお前を遠ざける、人生の小さなものを表している」

「砂を先に瓶に詰めてしまうと、大きな石や小さな石を入れるスペースがなくなってしまう。しかし、重要なことを優先させれば、あとはうまくいくものだ。本当に大切なことに集中し、それに合わせて時間を優先することを忘れるな」と言いました。

~禅の物語~

つまりは「自分にとって大事なことからやろうね」という考え方で、確かにこのアプローチなら些末なタスクで時間に追われることなく、本当に大事なことに人生を使えるんですよね。

ただ「やりたいことがたくさんある人」にとってのチャレンジは、そもそも時間という器の本来のキャパの数倍以上の入れたい石があるということ。しかも砂よりも大きなゴロゴロした石が多いので、「どれが一番重要?」と聞かれても、「この石も大事だし、あの石も大事だし、う~ん?」となってしまいます。

確かに一番大事なものから入れていけば、いつもよりは多くのものを器に入れられるのかも知れません。けれども「まだこんなにも入らない石がある……ぐぬぬ(涙)」となってしまうこともしばしばなのです。

「足し算」よりも「引き算」を意識する

そんなわけで私の場合、器のキャパを超える「やりたいこと」が溜まってきたと感じる時には、「引き算をする」ことを意識しています。つまり「入れない石を決める」ことから、始めるんですね。

例を挙げると、
・今年は引っ越ししない
・夏場と冬場はテニスの練習は週1回のみ
・ウェブサイトの記事の更新は月2回以上しない
などなど。

この一ヶ月、この三ヶ月、なんならこの一年は「フォーカスしないものを決める」ことで、やりたいことのボリュームを減らしてしまうのです。思い切って手放すことが決まれば、生活はよりシンプルになり、思考の質や創造性が上がり、結果としてパフォーマンスの質にも繋がります。

もしも優先順位の整理に迷ったり、引き算がなかなか進まないと感じるときには、コーチのサポートを活用してみるのも一つの手かもしれません。コーチはあなたの思考のパートナーとなって、一人でやるよりもよりダイナミックに、「やりたいことの整頓」を進められることでしょう。

限られた時間のやりくりこそ少し工夫が必要ですが、「やりたいことがたくさんある」ということそのものは、人生を豊かにしてくれるとても素敵なことだと個人的には感じています。何を引き算できるのか、しっかり見極めることで、心も体もスッキリした状態で「やりたいこと」を楽しみましょう!

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