>>>【5/19(日)】「メタファー」を通してクライアントの世界観を探求する~ICW2024~

「言語化」する力を磨くには

ウェブサイトにこうして記事を書いていたり、コーチという仕事が「言葉」を扱うものであったり、日々「言語化」について考えることが多くあるのですけど、この記事では「言語化する能力を磨く」ことについて、ちょっと語ってみたいと思います。

「言語化」は、習慣である

今年フランス語圏の国に旅行に行く予定があるんですが、「ちょっと慣れておこう」と思って最近久しぶりにフランス語会話を受けたんですね。これがまあ、ビックリするぐらい言葉が出てこない。頭の中に言いたいことが浮かんで口から出そうとすると、フランス語よりも毎週レッスン受けてる英語が先に出てきちゃう。

言葉は使ってないと忘れる」のだなあと、痛感しました。

海外に住んでた時は逆に「日本語の単語が思い出せない」ということが頻繁にあったので、これもう母国語でも何でも「使わないと忘れる」んだと思うんですね。

「言語化がすごく苦手で……」っていうの、仕事でけっこうお聞きするんですけど、「アウトプット」を習慣化してないと言葉って中々出てこないのかなと。なんというか、使ってない言葉って引き出しの奥のほうに埋もれてて、使いたいと思ったときにすぐには出て来てくれないんですよね。

「もう全般的に何話すのも苦手」って言う人もいるとは思うんですけど、人ってけっこう「特定の分野については熱く語れる」こともあったりするじゃないですか。普段から出し入れしてる言葉って引き出しの手前の方に入ってて、いつでも取り出せる、取り出しやすい感じなんです。

つまりは語りたいことがあるならば、それについてアウトプットすることを習慣にすれば、必然的に言語化する力は上がっていくのかなと。

「伝える」のか、「伝わる」のか

じゃあ「話量」さえ多ければ言語化する力が磨かれるのかと言うと、そうでもない気がしています。

昔フランスで語学学校に通ってた時、メキシコ出身のクラスメイトがいたんですよ。日本とか韓国とかシャイであまり話せないアジア人と違って、つたないフランス語だけどまあよくしゃべる(笑)。明るい子だったので、皆から好かれてました。

ただ彼女が何を言ってるかは、20%ぐらいしか周りは理解できなかったのではないかと想像します。文法めちゃくちゃでしたし、時々彼女のお国の言葉が混じってましたし、こちらが理解する前に話が先に進んでしまっていたので。

「言語化」が得意な人を眺めていると、一つの共通点として「聞き手の視点」をちゃんと持っていて、「伝える」と「伝わる」を区別している方が多い印象があります。

「伝える」の主語は話し手ですよね。これが主軸になると、思いつくままに話したり、相手が知らないかもしれない専門用語を混ぜたり、相手が内容を消化する余白を持たないまま、一方通行で聞き手を置いてけぼりにしちゃうことが往々にしてある気がするんです。

「伝わる」の主語は聞き手。こっちが主軸になるならば、「相手にとって分かりやすい表現」を心がけたり、ライティングの世界でもよく言われるような「小学生でもわかる言葉」だけでシンプルな言い回しにしていたり、双方向にするための「問い」とかも入ってくるのかなと。

「聞き手」のことを意識しながら話しているかどうか、って「言語化する能力を磨く」上では外せないポイントかなと思うんです。

相手の反応からさらに発展させる

日本には「察する」という文化があるので、けっこう分かりにくい話し方をしていても「何を言ってるか分からない」とズバッと言われることって意外と少ない気がしています。聞き手がなんか上手く解釈して、話が前に進むことよくありますし、すごく「流れ」を大事にしてもいますしね。

で、これアメリカ人のコーチをつけてビックリしたんですけど、「何を言いたいのかキャッチできなかったから、もう一回話してくれ」って普通に言われるんです。全然意地悪言ってるとかじゃなくて、「私が本当は何を伝えたいのか」に興味があるからこそ、ちゃんと流さずに尋ねてくれるんですね。

人間関係を築くという観点から言えば、これ双方のスタイルが違うだけの話なので、どっちが良いとか悪いとかではないと思うんです。

ただ「言語化する能力を磨く」という観点から考えると、この「分かりやすかった」「分からなかった」「これってどうゆうこと?」みたいな、相手からのフィードバックってすんごい重要なんじゃないかなと。自分の言語化したことの何が機能していて、何が機能していないかの目星をつけられますし、軌道修正もしやすくなりますから。

日本語教師をしている友人ともよく話すのですが「どうしたら伝わりやすいのかな?」という問いを持ち続けることって、言語化する力を磨く上でとても重要だと思います。

違う人間がお互いを100%理解すること自体難しくて、それでも1%でも理解が深まると嬉しい。そのために言葉があって、それをどう紡ぐかに「自分らしさ」が現れていくのだと思うから。

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