資質の盲点とは何か?
「盲点」とは、自分では見えていない、気づいていない部分のこと。
ストレングスファインダーにおいては、主にリーダーの文脈で使われる言葉であり、「本人は気づいていないが、チームに対して負の影響を与える可能性がある部分」を指します
リーダーに盲点が生まれてしまうわけ
私のところにやってくるリーダーの方とお話ししていてよく感じるのは、その盲点を生み出している資質が、彼らがプレイヤーとして活躍する際に、とても役立っていた強みであるケースが多いことです。
ひとつの成功体験として刻まれた思考・感情・行動のパターンは無意識に繰り返され、時に全く異なる傾向性やニーズを持っているチームのメンバーに対しても、同じような考え方や振舞い方を求めてしまうことがあるのです。
なぜリーダーは、自分の盲点を知る必要があるのか?
ストレングスファインダーを提供しているGallupのリーダー向け動画などでも、「盲点」を知っておくことの重要性は頻繁に登場します。理由は、少なくとも二つあります。
- チームへの影響が大きいから
まず一つ目は、その資質を無意識に使い続けることが、チームへの大きな負担やストレスになってしまうことがあるからです。プレイヤー時代にはそこまで問題にならなかったことが、リーダーという立場に立つことで、再考すべき要素になってくるのですね。 - 「当たり前」すぎて、自分では気づけないから
もう一つの理由は、多くの場合、リーダーの盲点にメンバーは気づいており、それでいて指摘をすることができないケースが多いからです。メンバーはその傾向性が成果に役立つと知っているからこそ、負の影響についてフィードバックするには相当な勇気が必要なのです。
基本的にプレイヤー時代の資質の扱い方は、いかに「加速させる(acceralate)」かという話になりやすく、リーダーになってからは、どのように「調整する(Moderate)」かがメインにもなるように感じています。
「チームが最大限にポテンシャルを発揮するために、どのように自分の資質を発露させるのがベストか?」を、定義しなおす必要が生まれてくるのですね。
資質の盲点の具体的な例
34資質それぞれに特徴的な盲点が存在します。ここではその一例をご紹介します。
- 達成欲(実行力資質)
物事を前に進める能力に長け、チームのペースメーカーになる。「自分が週7日稼働できるから、相手も当然できるだろう」と、無意識にメンバーにも同じような働き方を求めていることが。残業や休日出勤=頑張っている、という文化を生み出てしまうこともあります。 - 最上志向(影響力資質)
常に高みを目指すことで、組織を優秀なチームへと駆り立てる。求める基準や理想が高くなりすぎる傾向があり、無意識のプレッシャーをメンバーに与えてしまう。基準を満たせない人を「伸びしろがある」と見るより「力不足」と判断しがちで、育つ前に諦めてしまうことも。「あいつは甘い」の一言で片づけてしまう、なんてケースも少なくありません。 - 適応性(人間関係構築力資質)
相手や状況に合わせた柔軟なアプローチで、心理的プレッシャーを軽減し働きやすい環境を生み出す。今この瞬間を大切にするあまり、方向性や期待値を明示することが後回しになりやすい。メンバーは何を期待されているのか、何を達成すればいいのか分からないまま動き、本来の才能を発揮できずにいることも。 - 戦略性(戦略的思考力資質)
常に複数のバックアップルートを考えておくことで、確実に目的地へとたどり着けるルートを見出す。思考のプロセスが速く俯瞰視点がスタンダードのため、結論や断片的な問いだけを伝えてしまいがち。メンバーは指示の背景が分からないまま動き、何が間違いだったかも理解できない『迷子状態』に陥りやすい。
誤解の無いようにお伝えしておくと、これらの資質はもちろんチームにとって重要な強みにもなり得るのです。その光の影で、生まれる可能性のある影響について「意識的である」ことが、一番重要です。
自分の盲点を知っていれば、時折立ち止まって振り返ったり、あるいは資質の使い方を調整することが可能になります。自分とは異なるスタイルを求められることは、想像以上にストレスのかかるものなので、メンバーが自分らしくパフォーマンスを発揮できるようなチームを創っていくには、必須の要素かもしれません。
▼34資質の光の部分はこちらのまとめ記事を参考に:
自分の盲点を知る方法
さて、ではどのように自分の盲点を知ればいいのでしょう?
正直なところ、自分一人ではなかなか気づけないというのが、この盲点のやっかいな部分です。かれこれ8年ほどストレングスコーチをやっている私でも、未だに無意識に最上志向を発揮していて、自分のコーチから「また最上志向のギア入ってるよ~」とフィードバックをもらうぐらいですから。
同僚、あるいは信頼できる上司などに、定期的にフィードバックをもらう。あるいはストレングスコーチなどのサポートを得るのも一つの方法です。
私のところにやってくるリーダーの方たちも、初回のセッションで盲点を知ると、「そういうことだったのか」と納得されることが多いように思います。本当にシンプルに「違い」を知ることで、相互理解が深まったり、じぶんの資質のより良い使い方が発見できたりするんですよね。
あなたは自分の盲点を、どれだけ知っていますか??

大原亜希
ICF認定PCCコーチ
強みや価値観をヒントに、ビジネスパーソンやクリエイターの「自分らしく働く&生きる」をサポート。大人の自由研究のように、正解のない問いを一緒に探求する対話をしています。



