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英語で学ぶストレングスファインダー「Gallup Theme Thursday シーズン3」とは?/「着想」のリーダーシップ

毎週ストレングスファインダーの34資質のうち、ひとつをクローズアップする「Gallup Theme Thursday」。ツールの提供元であるGallup公式のYoutube動画で、現在シーズン6まで公開されており、英語に馴染みのある方、または英語を身につけていきたいと思っている方にとっては、ほんっとうに心からお勧めしたいコンテンツです。

この記事では現在6つあるシーズンの中から、シーズン3の内容について詳しく解説しています。事例を上げるために「Ideation(着想)」のエピソードを引用していますので、着想についてよりよく理解したい方も是非読んでみてください。

記事中の日本語訳について

本記事の引用部分の日本語訳は、Coaching Labo LIBERTEが独自に翻訳したものであり、Gallup公式の日本語訳ではありません。英文の解釈は、訳し方によってニュアンスが変わってくる部分もありますので、正確な意味を知りたい方は、Gallupの公式サイトから動画をご覧ください。

シーズン3の概要と魅力

シーズン3のテーマは「Strengths Based Leadership With CliftonStrengths(強みを元にしたリーダーシップ)」。名前の通り、「リーダーシップ」という立場から見る、資質の傾向性や強みにフォーカスしたシーズンとなっています。
内容の構成はシーズン1に似たスタイルで、冒頭10~15分資質の説明があり、その後ゲストとのトークという2部構成。

このシーズンで特徴的なのは、書籍「ストレングスリーダーシップ」に登場する、「フォロワーの4つのニーズ」を資質ごとに紹介している点です。チームのメンバーが求める4つのニーズを、自分の強みを使ってどのように満たせるかを探求できるため、自分らしいマネジメントのスタイルを模索しているマネージャーやリーダーの方には特におススメ。

シーズン3の内容①:資質の概要

Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

▲Gallup Theme Thursday シーズン3「Ideation(着想)」

  • この資質の一般的な傾向性
  • この資質のリーダーとしての強み
  • この資質と4つのフォロワーのニーズ

まず冒頭は「資質の概要」から。
因みに「着想」には2つの要素があると紹介されています。

①Creating:これまでに無い新しいアイディアを思いつく
②Connecting:これまでに無い観点からアイディアを繋げる

Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

①は着想が「クリエイティブ」と言われる所以でもありますね。新しいアイディアがぱっと「浮かぶ」とか、人によってはふっと「降りてくる」とか。ホストのMaikaさんもTop5に着想があり、「魔法のポップコーン」のような形容をされていました。スーパーで買うポップコーンは豆が全部弾ければそこで終わりですが、着想の場合は無限に湧いてくる。

②でいう「アイディア」は、何かのコンセプトであったり、ある物事を説明するもの。一見何の繫がりも無さそうな二つの物事に、見えない繫がりを見つけた瞬間、着想の心は踊ります。わたし自身も着想はTop5。この繫がりを見つけた時って、もうなんか子供がイタズラ思いついた時みたいな感覚になっちゃいます。もしあなたの周りの着想持ちの方が目をキラキラさせている瞬間があったら、たぶん何か思いついて楽しくてたまらない状態なのです。

常に「新しい見方」「新しい捉え方」にフォーカスがあり、それらに惹かれるのも特徴の一つですね。

続いて「リーダーとしての資質の強み」について:

「着想」を上位に持つリーダーは、メッセージやアイディアを、相手が最も吸収しやすい形にカスタマイズすることが出来るでしょう。特にチームが変化にさらされている時、例えば未開拓の分野への進出、ソフトウェアの開発、新しいメンバーが加入するなど、チームにとっては「青天の霹靂」にも見えることに対して、「確かに大部分は新しく今までと違うことかもしれないが、いくつかの部分はあなたがすでに馴染んでいることだ」と繫がりを見えるようにすることで、相手が地に足をつけるのをサポート出来るのです。

Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

「着想」には、遊び心があります。奇抜なものを見つけるのにも、今までと違ったアングルを見つけるのにも、大して苦労しないでしょう。そのマインドでもって他の人達を「ブレストをしよう!」「思いついたアイディアにコミットしなくていいから、とりあえず一緒に考えてみよう!」と、クリエイティブな発想の場に招くことが出来るなら、こんなにも双方にとって楽しいことはありません。

Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

マネジメントをしていると、目の前の課題に対して、チームや部下が行き詰まりを感じる瞬間に出会うことが少なくないと思います。多くの場合、そういった状況では視点が一つの場所で固まり視野が狭くなっているので、新しいアイディアや突破口も生まれにくいように感じます。

「着想」は基本性質として、「面白いこと」「あり得ないこと」が大好き。そんなリーダーのブレスト会議や1on1ミーテイングでは、思考の枠を取っ払って、これまでとは違う角度から課題について考えてみる、というクリエイティブな場が生まれやすいのです。

続いて、「フォロワーが求める4つのニーズ」をその資質を活用してどのように築いていけるかについてです。
(4つのニーズについて、詳しくはGallupの書籍「ストレングスリーダーシップ」を参考にしてください)

「着想」の事例はコチラ:

「着想」とフォロワーの4つのニーズ:

信頼(Trust):
ブレストをする時、明確にコミットする&明確なアクションに落とすことによって

安定(Stability):未知のものと、既知のものの繫がりを見つける手助けによって

思いやり(Compassion):人々のストーリーについて学ぶことによって

希望(Hope):「もしも~だったら」のスペースに人々を招くことによって

Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

メンバーとの「信頼」の築き方は、ブレスト会議に相手を招く際「この場の目的はとにかくたくさんのアイディアを出すこと」と明確に伝えることです。そもそも組織の中で、本当に自由にアイディアを出せる会議がどれほどあるでしょうか?

チームがクリエイティブな思考を発揮するには、思いついたアイディアに対して責任を持たなくても良い、という「心理的安全性」があることが不可欠です。言い出しっぺが担当になるのを知っているので意見は言わないようにしている、という話、けっこう色んな方面から聞こえてきます。そういう意味で、着想が創り出すクリエイティブな対話の場というのは、組織に「イノベーション」を起こす上でも大切な要素のように思います。

同時に良いアイディアが浮かんだら、どこまでもブレストを続けずに、「行動のプラン」に落とし込んでいくこと。着想は魔法のポップコーンですから、意識的にそのフェーズを止めて次のステップに移る必要があります。

続いてメンバーとの「安定」の築き方。人は全く新しい(ように見える)何かに出会うと、不安や恐れを感じることがあります。その際、メンバーがすでに知っていることとの共通点を見つけていくことで、アンカーを作り、安定感をもたらすことが出来るのです。

わたしが企業で働いていた時代、後輩を新しい店舗に送り出すことがあったのですが、その際今いる店舗と何が同じで、相手が既に上手くやれることで活用できることは何かについて、よく話していました。そのうち彼女の中で「今の店のやり方はAは同じだけど、Bは違っていて、でもこんな風に応用できると気づいて取り入れてみました」なんて発想が習慣づいたらしく、どんどん「点を繋げる思考」が育まれていったのは中々興味深かったです。

メンバーとの「思いやり」の築き方は、リーダーとしての役割の一つ「メンバーを今いる場所を越えたところへ向かわせること」から。例えば「これについて考えてみた?」「以前はどうやってたの?」など声をかけることで、辿りつきたい場所が見えるようにサポートすることです。

ややコーチング的なアプローチにも聞こえますが、メンバーの思考の枠が今を越えて、より広い時間軸、空間軸で見えるよう関わっていくことなのかなと。相手のストーリーを学ぶとは、メンバーの中に既にリソースがあると信じて対話を重ねることにも思えます。

最後にメンバーとの「希望」の築き方について。これは現実的な境界線(予算や人員などのリソース)を一旦脇に置いて、とにかく自由に未来を描く場を提供することで実現します。現状出来ること、決まった枠の中で物事を考えると、どうしてもコンパクトに箱に収まる、無難なアイディアしか出てきません。「こんな風にもなれるかも」「こんな風になったら面白いかも」というワクワク感こそが、それを実現する際の原動力にもなります。

余談ですが元職人のモノづくりの感覚からいっても、新しい発想をするときはオペレーションや原価について考えないほうが、よりエッジの利いた一品になりやすいです。食材の組み合わせ、形、盛り付け方に現実的な枠を設けずに「球体にしたら面白そう」とか「赤で統一したらユニークかも」とか、遊び心からデザインが始まります。そしてある程度イメージが固まってから、どうやって形にするかを考え始めるのです。

着想がよく人からもらう言葉は「どうやって思いついたの?」なのですが、これ本当に本人からすると「自然に浮かんでくる」という感じなんですね。スピード感が非常にあるため、周りが置いてけぼり感を感じないように、ブレストに「ご招待」するのがポイントで、チーム全体のクリエイティビティにも繋がっていくパワフルな才能です。

「フォロワーの4つのニーズ」のパートは書籍だけでは中々イメージが湧きにくい部分もあるので、動画も参考にすると、実際に活用できる仕事のシチュエーションなどが浮かびやすくなるかと思います。

シーズン3の内容②:ゲストとのトーク

続いては、「ゲストとのトーク」に移っていきます。シーズン1との違いは、Gallupの社外のリーダー達が登場するところ。シーズン3「着想」のエピソードに登場するゲストは、Maureen Monteさんで、リーダーシップ研修やコーチングを提供する会社を経営されています。

この方の話すスピードはですね、あれ?これ1.5倍速になってる??って思っちゃうぐらいに早いです(笑)。でもめげずに聞いてみてください。そうするとJimとMaikaのトークがもはやゆっくりに聞こえてくるし、他のゲストのトークも聞きやすくなりますから。

いくつか印象に残ったエピソードをご紹介すると:

Maureen:
私が学んだことは、もし新しいアイディアに価値が無い場所だとしたら、着想は役に立たないってこと。そこにいる人や状況に対してね。例えば規律性や慎重さが高いリーダーと仕事をするとき、新しいアイディアに対して彼らの中でアラームが鳴り始めるようなときは、しっかりとコミュニケーションをとることがポイント。例えば「新しいアイディアを受け入れることができる?」ってね。もし答えがNoなら、口を閉じるの。

Maika:

~多くのリーダーが「自分が全ての役割をやらなければいけない」と考えて、もがくことがあると思う。さっきの部屋を去るという事例は、その場で求められていることが自分が自然と上手くやれることではないなら、「考えるのはサポートするけれど、実行するのは自分では無くてもOK」という素晴らしいメッセージよね。

Maureen:
そうね。彼の場合、自分のために働いてくれる人達の強みを尊敬しているのも素晴らしい点だと思うわ。


Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

上記のコメントは、Maureenがシェアしてくれた着想上位の神父さんのエピソードを受けてのもの。会議の中で素晴らしいアイディアが生まれた後、彼の中ではさらに新しいアイディアを思いついたのだけど、その場の皆がアクションに移りたがっているのを察して「実行は君達に任せるよ」と言って部屋を去ったのだとか。

Maika:

さっきJimから「爆発させるのではなく尋ねる(Ask not blast)」という言葉があったけど、あなたの着想はどんな風に、他の人に彼らがやるべき100個のアイディアを渡すのではなく、彼らが行きたい場所へ行くのをサポートできるようになったの?

Maureen:
リーダーとして、コーチとしてやっていることの全てを、「彼らにとって成功とは何か?」に結びつけて考えるようにしている。そこから始めるの。私達は何を成し遂げようとしているのか?私達はなぜここにいるのか?についてもね。


Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

Maika:

事前のインタビューで着想は一番好きな資質って言ってたわね。この資質の何が、そんなにもあなたを惹きつけるの?

Maureen:
着想の自由さかな。境界線が無いところ。~わたしは上位に3つの戦略的思考力があるんだけど、自由にアイディアを広げている時ってもう本当に素晴らしいの。


Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

Jim:

着想は素晴らしい質問をするという場面でも役立つツールだよね。~この資質を上位に持つリーダーの力は、話すのを止めて相手の話を聴くところで発揮される。もちろん質問するために話すけれど、質問、聴く、対話する、の順番が大事だよね。


Your Ideation Talent: New Perspective on Familiar Challenges– Theme Thursday — S3

Maureenさんは上位に戦略性、学習欲をお持ちで、上記の着想の強み使いのエピソードの中にも「最終ゴールを決めてから」という強みが見えていたように感じました。同じ着想でも組み合わせによって表れ方が変わってきますし、一人一人ユニークな着想があるわけなので、色んな方からストーリーを聞いてみるとグラデーションが広がりますね。

シーズン3のホスト

シーズン3のホストは、シーズン2に引き続きJim Collisonさんと、Maika Leibbrandtさんのお二人。普段からとってもおしゃべりなお二人ですが、「着想」エピソードでは、ゲストのMaureenさんが二人を越える話量だったため(多分全体の9.5割ぐらい)、比較的静かな二人が見られる貴重な回!?かもしれません。

個人的に見ていてすごいなーと思ったのは、Maikaのコーチとしてのあり方。英語ではよく「Holding Space」という言い方をするのですが、Maureenさんが自由に話せる場を作りながら、重要なポイントをしっかりとおさえて、質問やフィードバックに変えていたのがとても印象的でした。話量の多いクライアントや部下がいる方にとって、参考になるかも。

シーズン3の動画の長さと字幕について

シーズン3の動画の長さは、平均50~60分ほど。

前シーズン同様、Youtubeの設定から「英語字幕」「文字起こし」を選べるほか、自動翻訳を使って「日本語」をリアルタイムで字幕に表示させることが可能です。やや精度にかけるところもありますが、大枠の意味を捉えるのには役立つかなと思います。

シーズン3をより良く理解するための本

シーズン3のメインコンテンツのひとつである「フォロワーの4つのニーズ」については、書籍「ストレングスリーダーシップ」に詳しく書かれています。

Gallupの資質レポートが、「一般的な傾向性」であるのに対して、この書籍の中では、「リーダーとしての強み」(またはその可能性)について書かれているので、リーダーやマネージャーなどチームを率いる方にはとってもおススメの一冊です。

また2021年から「マネージャー向けクリフトンストレングスレポート」もリリースされています。少し追加料金はかかりますが、興味のある方はこちらも参考にしていただくと、より自分らしいスタイルでリーダーシップを発揮することに繋がっていくかなと思います。

さてGallup Theme Thursday シーズン3について、いかがだったでしょうか?「興味が出てきた」という方は是非、以下のリンク先から残りの33資質の動画も見てみてくださいね。

Theme Thursday シーズン 3: Strengths Based Leadership With CliftonStrengths

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