毎週ストレングスファインダーの34資質のうち、ひとつをクローズアップする「Gallup Theme Thursday」。ツールの提供元であるGallup公式のYoutube動画で、現在シーズン6まで公開されており、英語に馴染みにある方、または英語を身につけていきたいと思っている方にとっては、ほんっとうに心からお勧めしたいコンテンツです。
この記事では現在6つあるシーズンの中から、シーズン6の内容について詳しく解説しています。事例を上げるために「Individualization(個別化)」のエピソードを引用していますので、個別化を上位にお持ちの方、ご自分の周りに個別化上位の人がいる方も是非読んでみてください。
本記事の引用部分の日本語訳は、Coaching Labo LIBERTEが独自に翻訳したものであり、Gallup公式の日本語訳ではありません。英文の解釈は、訳し方によってニュアンスが変わってくる部分もありますので、正確な意味を知りたい方は、Gallupの公式サイトから動画をご覧ください。
シーズン6の概要と魅力
シーズン6のテーマは「Developing Teams and Managers(チームとマネージャーを開発する)」。このシーズンはストレングスファインダーの診断後に、多くのリーダーやマネージャーの方が抱く「で、これを使ってチームに対して何をしたらいいの?」という問いに答えるような構成になっています。
全てのエピソードが「強いチームに関する5つの真実」という観点から、各資質を上位に持つメンバーが、より良いチームを作るためにどのような貢献ができるのかについて紹介しています。
チームビルディングでの強みについて話す時よく使われるのは、「Me(わたし)vs We(わたしたち)」。フォーカスが個人からチームにシフトした時、どのような働きが出来るか、又はそうなるためにどんなサポートができるのか、についてのヒントが得られるかもしれません。
また、シーズン1~5がアルファベット順で34資質を扱っていたのに対し、シーズン6では資質を4つのグループ(実行力/影響力/人間関係構築力/戦略的思考力)に分けて順番に扱っています。各グループの前後に「キックオフ(Kick off)」「総括(Warp up)」の回があり、グループごとの違いについてより理解できるのも特徴の一つです。
シーズン6の内容①:資質の概要
▲Gallup Theme Thursday シーズン6「個別化」
- この資質の傾向性
- 強いチームに関する5つの真実①
- 強いチームに関する5つの真実②
- 強いチームに関する5つの真実③
- 強いチームに関する5つの真実④
- 強いチームに関する5つの真実⑤
- 才能マインドフルネス
シーズン6は、書籍「ストレングスリーダーシップ」の冒頭に登場する「強固なチームに関する5つの真実」の観点から、各資質がチームでどのようにパフォーマンスを上げたり、人間関係を築いていくかについて紹介しています。
まず、強いチームに関する5つの真実①は「強いチームは結果を重視する。そのため意見が対立してもチームが壊れない」。
このパートでは「この資質にとって結果を重視するとは?」「この資質はどのように進捗を確認するのか?」という二つの観点から、各資質を紹介しています。
個別化の事例はコチラ:
彼らは違いを理解することが得意なので、大抵の場合、ばらつきを考慮します。ですから、目標や成果へのこだわりは静的なものであるかもしれませんが、その目標に向かって各自がとるアプローチは、おそらくかなりダイナミックなものになるでしょう。~(中略)~
また、チームの各メンバーにどの成果や目標が最もよく響くか、直感的に理解していることでしょう。この人の洞察力を活用することで、社員一人ひとりのカスタマイズされたモチベーションを本当に理解することができます。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
(個別化は)違いを価値あるものとして扱います。ですからチーム内の彼らの直感を意図的に活用することが出来るでしょう。何が上手くいっているのかを探ってもらったり、特に何が上手くいっているかについて気づいた違いを挙げてもらったり。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
強いチームに関する5つの真実②は「組織にとって最善のことを優先し、行動を起こす」。
このパートは「この資質はどのように、より大きなゴールを見るのか?」「この資質が行動を起こすことをインスパイアするものは何か?」という二つの観点についてです。
個別化の事例:
「最も重要な目標は何か?」あるいは、より大きな組織について考えるなら「どのような独自のやり方で、チーム、会社、コミュニティの目標と自分自身を繋げるのか?」と周りのメンバーに尋ねることです。非常に素晴らしいことに、この人物(個別化)はその答えを覚えていることが多く、必要なときにそのユニークな視点を思い出し、それに頼ることができる可能性が高いのです。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
また、一般的にカスタマイズを得意としている個別化が、特に行政など「標準化」を求められる場所で働いている時、その傾向性をどのように上手く共存させていくかについての視点が面白かったので、シェアしておきます。
個別化を持っている人たちが必要の無いところでもカスタマイズしようとする、とただ言うだけでは十分ではありません。「私たちの最も大切な価値観は何か?」「いつルールを曲げるのか?」「例外を作るのはいつ?作らないのはいつ?」といった質問から、相手と対話をすることが大切です。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
強いチームに関する5つの真実③は「仕事と同じように私生活にも真剣にかかわる」。ウェルビーイングは近年多くの会社が真剣に取り組んでいることの一つかな、と思います。仕事でのパフォーマンスを考えるとき、職場だけではなくプライベートの時間をいかに充実させるか、ということが深く関わってくるんですよね。各資質がどのような活動からエネルギーを得られるのか、について紹介されています。
また、このパートでは上記以外に、マネージャーがその資質を上位に持つメンバーのポテンシャルを引き出すのに効果的な質問も紹介しています。
「チームの一人ひとりの特別なところは?」「他の人が知らないような、あなたにとって意味のあることは何ですか?」「あなたの現在の状況は、通常と何が違うのでしょうか?」
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
動画の中では、これ以外にも、「周りの人について尋ねる」ことの価値について話しています。個別化は普段からよく相手のことを観察していますから、「この人ってどんな人?」という質問に答えることを楽しみますし、もし自分自身の個別化が上位でない場合は、この資質がどういう資質であるのかを学ぶ機会にもなり得ます。
強いチームに関する5つの真実④は「多様性を受け入れる」。ここで言う多様性とは、ストレングスファインダー®の34資質以上のものを表わしています。例えば年齢、背景、出身、人種など、それぞれに違う人が集まるチームに、各資質が他の資質とは違う何をもたらすことが出来るのか、についてです。
thoughtful, having a good memory, tuned into personal details, they really pay attention, they notice the little things (especially when it comes to people), personal, you could say that they’re a great listener. And I really like these two words: custom and bespoke.
*個別化を形容する言葉をいくつかあげると
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
思いやりのある、記憶力の良い、個人的な細かいところまで気を配る、注意をよく払う、(人に関することは特に)些細なことに目を配る、個人に向ける、素晴らしい聞き手。それから私がとても好きな二つの言葉:カスタマイズされた、オーダーメイドの
続いてこの資質がチームにもたらすユニークな視点について、見てみましょう。
彼らは、たとえチームが同じプランを1,000回実行したとしても、毎日、すべての人、すべての変数がいつでも変わる可能性があり、それによって経験全体が変わってしまうことを認識しているのです。このような意識は、「個別化」の「人間関係構築」の要素を超えて、「戦略的」な領域にまで踏み込んでいます。なぜならそれは、チームが今この瞬間に起こっていることに注意を払い、目を覚ましている状態を保つのに役立つからです。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
強いチームに関する5つの真実⑤は「才能を惹きつける」。強いチームを見分けるもう一つの方法は、誰もがそのチームの一員になりたいと思うようなチームを見てみることです。
例えば「個別化」が人々にとってどんな魅力があるのかというと:
個別化が上位にある人と一緒にいると、なんだか楽しくなってきますよね。なぜなら、彼らはあなたをとにかくよく知っているように見えるし、個人的な体験の詳細に気づいたり覚えていることで、あなたが本当に重要な人物であると感じさせることができるからです。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
シーズン6の内容:才能マインドフルネス
前シーズンに引き続き、シーズン6にも「才能マインドフルネス(Talent Mindfulness)」のパートがあります。前シーズン同様、紹介されている資質が上位にない人でも楽しめる構成になっていますし、その資質が見ている世界を垣間見る、と言う意味でも面白い体験なるかもしれません。
個別化のエピソードの事例はこちら:
あなたの人生で、成功や幸せの鍵になる人、又はサポートを頼りにしている人について見てみましょう。特に、最近どちらかというと悩まされている人がいいでしょう。
Individualization Theme: Developing Teams and Managers — Theme Thursday — S6
~(中略)~
その人は何について話すのが好きですか?その人は好きな食べ物や飲み物は何ですか?一日の中でいつが一番、その人が目覚めている(活気がある)時でしょうか?その人のモチベーションを高めるものは?その人はどのように物事を成し遂げるのでしょうか?
あくまでも個人的なイメージなのですが、シーズン5よりもさらに深い自己探求をするマインドフルネスになっているような気がします。
シーズン6のホスト
シーズン6のホストは、おなじみJim Collisonさんと、Maika Leibbrandtだんのお二人。シーズン2からずっとタッグを組んでいますから、安定感も抜群です。
シーズン6の動画の長さと字幕について
シーズン6の動画の長さは、平均22~28分ほどとやや短め設定。各グループ資質の前後にある、「キックオフ(Kick off)」「総括(Wrap up)」のエピソードのみ35分弱の長さとなっています。
前シーズン同様、Youtubeの設定から「英語字幕」「文字起こし」を選べるほか、自動翻訳を使って「日本語」をリアルタイムで字幕に表示させることが可能です。やや精度にかけるところもありますが、大枠の意味を捉えるのには役立つかなと思います。
シーズン6をよりよく理解するために
シーズン6を通して扱っている「強いチームに関する5つの真実」について、よりよく理解したい方はGallupの書籍「ストレングスリーダーシップ」を読んでみてください。
「さあ、才能に目覚めよう」が一般的な傾向性の紹介なのに対して、こちらの本はリーダーとしての才能に特化した本になっています。チームがポテンシャルを最大に発揮するために、自分の才能をどのように活かしていけるのかを知るヒントにもなるかと思います。
シーズン6をよりよく活用するために
このシーズンで扱っている内容は、才能を強みに開花させる3つのステップ「①才能を知る②才能を好きになる③才能を他者のために活かす」で言うと、どちらかというと「③才能を他者のために活かす」の部分。メンバーが自分自身の才能について理解があり、才能の両面を肯定的に捉えている、というステップがどれだけ進んでいるかで、その効果も変わってくるように思います。
チーム内でストレングスファインダーを活用したいと思っているリーダーやマネージャーの方は、1on1や研修等で、この「①才能を知る」「②才能を好きになる」というパートについても、フォローアップを欠かさないようにするといいかもしれません。
さてGallup Theme Thursday シーズン6について、いかがだったでしょうか?「自分やメンバーの資質も見てみたい!」という方は是非、以下のリンク先から動画をチェックしてみてくださいね。
▼Gallup Theme Thursday シーズン6「Developing Teams and Managers」