ストレングスファインダーを活用するための基礎用語

ストレングスファインダーを活用して、自己成長をするプロセスでは、知っておくと自己理解がより明確になる用語がいくつかあります。GallupがYoutubeで提供している動画や、公式ウェブサイトのブログにもよく出てくるワードなので、英語も併せて説明していきます。

未熟(Raw)/成熟(Mature)

私たちの才能の状態を表すワード、それが
・未熟(Raw)
・成熟(Mature)

です。

ストレングスファインダーは「才能」を見つけるためのツール。そこから時間とエネルギーを投資して、才能を強みに成長させていくプロセスを「強みの旅」と呼んでいます。

その中で、才能を無意識で使っている状態、例えば成果が出ることもあるけれど、成果を妨害していることもある、どちらかというと才能に振り回されている状態を、才能が「未熟」な状態と呼んでいます

反対に才能が「成熟」した状態とは、意識的に才能を使うことで成果に繋げたり、成果を妨害しているときは自分なりに対処して才能をコントロールできる状態を言います。

ストレングスファインダーの診断を受けた段階では、才能がどのレベルにいるのかは人によって様々です。ひとつの資質について、仕事のなかで自然と成熟が進んでいることもありますし、別の資質はとっても未熟な状態ということもあります。

未熟なのが悪い、成熟しているのが良い、という話ではなく、あくまでも今の自分の才能の状態を捉えることが大切なので、そのための物差しのひとつとして覚えておくといいかもしれません。

因みに、Raw/Matureはハムやワインの熟成状態にも使われる言葉なんですね。ただその辺に置いておいて年数を重ねるのと、上手く熟成させるのでは最終的な味が全然違っていて、質を上げるには温度や湿度などを丁寧に人間が管理する必要があるんです。そう考えると、時間とエネルギーを投資すればするほど才能が育っていく、という考え方も少しイメージが湧きそうですね。

助けになるもの(Help)/妨げになるもの(Hinder)

資質の傾向性には二つの側面があります。例えば最上志向の傾向性のひとつに「物事の質をとことん磨いていく」があります。これは上手く使えば自分自身やチームが期待以上の成果を生み出すことに繋がりますが、度を越えると時間がかかりすぎてしまったり、自分や他者に過大なプレッシャーをかけて成果を阻むこともあります。

ストレングスファインダーにおける強みの定義は、プライベートまたは仕事の場面で成果を生み出すことに繋がっていること。そのため才能の強み使いは「助けになるもの(Help)」、弱み使いは「妨げになるもの(Hinder)」と呼ばれています。(以前はバルコニー(Balcony)&ベースメント(Basement)という呼び名がついていましたが、英語圏以外の人達にはイメージしにくい(?)みたいな理由で、上記の名称に変わったようです)

GallupのYoutube動画の中ではスターウォーズに例えて、助けになるものをジェダイサイド(光)、妨げになるものをダークサイド(闇)、なんて冗談で言ってましたが、才能が成熟すればずっとジェダイサイドのまま、ということでもなく、ダークサイドとの間を行ったり来たりします。もちろんストレングスファインダーの専門家、ストレングスコーチでも同じです。人間ですから、笑。

才能が成熟すると何が起きるかというと、ダークサイドにいる時に自ずから気づき、バランスを取れるようになる、そんなイメージでしょうか。
自分の才能がどういう時に成果を生み出す助けになっていて、どういう時に成果を生み出す妨げになっているのかを理解していくことは、才能を成熟させる上で欠かせない自己理解のステップです。

尖らせる(Sharpen)/丸くする(Soften)

ストレングスファインダーの才能は、ダイナミクスと呼ばれる資質×資質の組み合わせがその醍醐味。才能はよく星(☆)の形に例えられますが、この尖っているところを強みとした場合、それをよりシャープに尖らせてくれる資質と、どちらかというと丸くしてくれる資質があります

例えば最上志向をより尖らせる傾向を持っているのは、達成欲、活発性、信念、自我など。反対に最上志向を丸くしてくれる傾向を持っているのが、包含、成長促進、調和性、共感性などです。

得意なことろがより磨かれるんだったら尖ったほうがいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、切れる刃物は扱いが難しいもの。パワフルな強みになれる一方で、暴走もしやすくなるので、制御する方法を身につけていくことがとっても大切です。

自分の傾向性を理解していく上で、上位資質の相互関係を深堀していくのも、面白い切り口のひとつかもしれません。

固定型マインドセット/成長型マインドセット

ストレングスファインダー用の言葉、という訳ではないのですが、「強みの旅」をするうえで絶対に知っておきたいのが、この二つ。

固定型マインドセット(Fixed Mindset)は、どれだけの時間や労力をかけても今以上の知性やスキルを手に入れることは出来ない、という考え方です。

例えば戦略性が無いから戦略的になれない、共感性が無いから人には共感できない、と自分のポテンシャルを自分で諦めてしまうこと。ストレングスファインダーの診断結果はスタート地点でしかないので、ここで止まってしまうと本当に勿体ないのです。

成長型マインドセット(Growth Mindset)は、元々はスタンフォード大学の心理学者Carol・Dweckさんが考案した言葉で、努力や工夫を重ねることで能力は変化させられるという考え方です。

確かに34資質の順位を並べた時、下位資質にあるものが上位に飛び出てくることはほぼありませんし、強みの哲学的には、不得意な領域に時間とエネルギーを無駄遣いするな、と言っています。一方で、ある一つの資質が上位に無いことが、成果を出せない理由にはならない、とも言っています。

自分の上位にある資質、この才能たちを使って、どんな風に成長出来るか、クリエイティブに考えることこそが、強みの旅を続けるうえでとても大切なマインドセットです。自分が持っているものをどのように組み合わせて使えば、戦略的になれるのか。誰かに共感できるのか。

また何かと何かを組み合わせるクリエイティビティの観点から行くと、強みの哲学では「自分一人で完結させること」を念頭においていません。不得意なこと、苦手なことは、周りの人の才能も借りて、クリエイティブに乗り越えていくことを推奨していますので、自分の周囲の才能にも目を向けることも大切なステップです。

才能を未熟な状態から成熟した状態へと育てていく強みの旅は、自分では中々見えない傾向性の特定に他者の視点を借りられる1on1セッションやワークショップを受けると、圧倒的に成長スピードがあがります。
もし、まだそこに飛び込む準備が出来ていないという方や、もう少し自分でやってみたいという方は、GallupのYoutube動画などで、上記のキーワードを意識しながら聞いてみてください。才能の全体像が掴みやすくなると思います。

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